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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: ( See You ) ( No.8 )
- 日時: 2011/07/31 17:14
- 名前: さく ◆z8XkX1aJMs (ID: xzitYG6X)
夏祭りに行こうか、そんな口実を使い彼女を呼び出した。
彼女は淡い水色の浴衣を身にまとい、一人で待ち合わせの場所にたっていた。まだ15分前なのに。
そんな一つ一つの彼女の行動が胸を弾ませる。
「……あ、林君」
彼女が僕に気づき、履きなれていない下駄で俺に近づいてきた。
そして行こうかと僕が言うと、彼女はうんと恥ずかしそうにうなずきうつむきながらも僕の後ろにぴったりとくっついた。
さすが夏祭り、人の多さに窒息しそうになりながら彼女をちらちら気にしながら見ていると、彼女は人ごみに埋もれていてしまっていた。
僕が彼女の白い細い手首を握り、そしてすべるように手をつないだ。
彼女が一瞬おののくように手をするりと抜け出そうとしたが、俺はぐっと離さないように強く握ると、彼女はそれに答えるようにつないでくれた。
それが、どれだけうれしかったことか。
「あれ? 真由?」
同じクラスメイトの木ノ本に会った。木ノ本は林の幼馴染で仲がよく二人でしゃべってるのをよく見かける。
「彩子!」
木ノ本は僕たちの方に走ってきた。
「なんで二人でいるのー?」
素朴な疑問だったんだろう、そうやって木ノ本は林にではなく僕に聞いてきた。
「誘ったからだよ。林を、俺が」
僕が言うと、木ノ本はにやりと笑って、林の背中をトンっと押して、「じゃあね」と言って木ノ本は走り去った。
「柳瀬君? 私でよかったの?」
林が不安そうに聞いてきた、僕は林の手を強く握り。
「林がよかったんだ」
その言葉に照れた林がかわいかったことは言うまでもないが。
( 夏祭り )
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