コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 七色の葉っぱ ( No.23 )
- 日時: 2011/08/03 22:58
- 名前: 彌浪 ◆BWqKsmtrLo (ID: u6knrXHP)
五話 「きゃー!だ・い・ピ・ン・チ!?」
「いくで!テレポ……」
「させない!」
なんと、麗奈は、剣で
「ぐあっ!」
祐実の肩を攻撃したのだった——。
それも、箒に跨(またが)りながら。
香月麗奈——なんというテクニック。
「「祐実っ!!」」
「いい気味……歯向かうからよ!」
麗奈は剣をもった手—右手—をぶらぁん、と下げたまま、左手で箒を持ち、跨っている。——いかにも、余裕そうな表情を浮かべながら。ぷかぷかと。
「くっ……!」
「レナ……悪いけど、容赦しないよ」
「フンッ、そういっていられるのも今のうちよ」
「むぅ……でも負けない……!だって、この旅には——っ、この戦いには——!みんなの想いが!お母さんの願いが!こもって……いるから……——ね!」
体中に魔力が漲(みなぎ)ってくる。
そして……
「…レッド!」
七葉はその手から、拳(こぶし)大の炎玉を放った。——魔法を放ったのだ。
自分の意識という感じがしない。魔法の放ち方が掴(つか)めていた。
そしてその炎玉は真っ直ぐと、“ボォ——ッ”という音をたてながら燃え盛り、麗奈の方にに向かっていく。
「甘い。雑魚がいい気になってんじゃないわよ!所詮、この程度……なのだか————何ですって!?」
一瞬——ほんの、一瞬だけ——、辺りが、静まり返った。無のように。
「剣が……無い。右手にしっかり持ってたはずよ!」
そうして、私の放ったレッドは、見事に麗奈に直撃したのだった。
そして、麗奈は箒から落ちた。——無表情、無言のまま。その場に崩れた。
「剣は……私の剣は私自身が、“今も握り締めている”……なのに……何故無いの!」
「——甘いな。な、祐実さんよぉ!」
「何?」
「へっへーん!その剣はうちが持ってるで!」
「何で……この手には……まだ……“握った、感触が!”」
「レナ……うちが何使いか忘れたん?」
「もしや……!」
「そう、うちの怪しい光を浴びたレナは、一種の…“混乱状態に陥(おちい)ってた”んや!」
「——祐実!君は……最高だよ!」
「どんなもんや!」
「貴……様……ァッ!許さない。いいわ、その剣は貴女達にあげるわよ。その代わり——私は貴女達を容赦無く…潰すわよ!——そして、七色の葉っぱは、私のものよ!——今日は引き上げるわ。貴女達を甘く見ていたようだし……自分を磨いてから、また……ねっ!」
「負けないからな!」
「七色の葉っぱはこっちが先にみつけるから!」
「覚悟しときいや!」
「——フン、馬鹿はいつでも馬鹿ね。いいわよ!受けてたちましょう!」
麗奈は箒に跨り、飛び去っていった。
こうして、ライバル(?)香月麗奈との競争が始まった。——七色の葉っぱ争奪戦という名の。
お母さん——
—続く—