コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: *叶恋華*Ⅱ β実話β ( No.120 )
- 日時: 2011/09/09 23:44
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: EVVPuNrM)
- 参照: 好きなのにー。
第百三十六話『○神家の壱族』
林田の告白から、土日を挟み——。
今日は月曜日。
また、何事もない平凡な日々が始まろうとしていた。
正直、林田の事は気がかりだったけれど。
いや、そういう意味で気にしてる訳じゃないけど——。
私の好きな人は壱だし、それは変わりようのない事実。
だけど、なんとなく。
ほんの少しだけ、私は林田を意識してたのかなぁ……って思う。
人間、誰だって『好き』と言われたら嬉しいし。
私は人から『好き』なんて言われる事が少ないし、それにこんな経験初めてだったから。
異性に『好き』と言われたのも。
呼び出しも何もかも、全部。
だけど、なるべく気にしないように。
普通に林田と接しよう。
私はそう決めていた。
**
授業が始まる前、壱はこちら——つまり、後ろを向いていた。
龍を見てるのかな? と思って振り向いたが、龍は違う方を向いて男子と喋っている。
……じゃあ、壱はどこを見ているんだろう?
そう思いながら、壱を視界の隅にいれていると——。
「!?」
壱が一瞬にして、綺麗に消えた。
……あら?
「……ぶはっ!! あははは壱〜」
隣に居た犬ちゃんが、笑いだした。
ちゃんと壱を見ていると、壱は椅子ごとひっくり返っていた。
その体制は、まるで○神家の一族のような——……。
あ、○神家の壱族っていいネーミングじゃないか!?
一と壱をかけまして……なんて、そんなくだらないことを考える。
——とにかく、一瞬何が起こったかわからなかった。
だって、音もなく綺麗に落ちていったよ?
「……いってぇ〜……」
「あはははははっ!!!!」
犬ちゃん、大爆笑。
○神家の壱族改め壱は、壱も苦笑いしながら呆然と座っていたが、やがてゆっくりと立ち上がった。
「……」
やっぱり、私は壱が好きなんだなぁって思う。
天然なところも、こういうドジなところも。
林田のお陰で、なんだか改めて考えられた気がする。
もう、壱を諦めるなんてことは考えないようにする。
諦めるなら、ちゃんとはっきりと振られてから!!
それから、どうするか考えよう。
私はそう考え、授業道具の準備をした。