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Re: *叶恋華*Ⅱ β実話β ( No.127 )
日時: 2011/09/11 03:04
名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: 9qYqZOsB)
参照: 好 き だ !!

+番外編+ 『平安撲滅企画③』


水城依麻×珠紀壱
ターゲット:姫吉怜緒
テーマ:『破廉恥』



「ギャヒィッ」


依麻と壱は、怜緒を砂場へと放り投げた。
怜緒の顔は砂まみれとなり、「ペーッ! ペーッ!」と唾を巻き散らかしていた。


「うわ、汚っ」


依麻は地面の砂を思い切り蹴り上げ、怜緒に向かってかけた。
怜緒は「ウォップスッ!」と変な叫び声を上げる。
そのすぐ後ろでは、壱がスコップで穴を掘り続けていた。


「ザクザク。水城、どのくらい掘ればいいわけ?」
「(ザクザクて可愛いなおい)……んーとね、怜緒が完璧に埋まるくらい」
「了解」


壱は再び「ザクザク」と呟きながら、穴を掘り始めた。
怜緒は全身砂だらけの引き攣った顔で、依麻を見る。


「何やるつもりだ、お前等!! 警察呼ぶぞぉっ」
「別にちょっと遊ぶだけだよ。警察呼ぶなら、私と壱は巻き込まないで森野だけ捕まえてやって」


依麻はそうサラリと言った後、どこからか可愛いフリルがついているピンクのビキニを持ってきた。
そして、「じゃーん」と言って怜緒に見せる。


「これ、なーんだ」
「……水着だろ!? 愛可に似合いそうなやつ……」
「黙れ蒼白」


依麻は再び地面を蹴り上げ、怜緒の顔面に砂をかけた。
怜緒は「カーッ! ペッ! ウォェアッ! グァッペ!」と汚い咳をし始める。


「これを、どうすると思いますか?」
「愛可に着せる」
「黙れ蒼白」


依麻は再び地面を蹴りあげ、怜緒の顔面に砂をかけた。
怜緒は再び起こるデジャヴに、奇声をあげて倒れる。


「壱、穴掘り交代! 怜緒にビキニ着替えさせてあげて」
「え、俺?」
「平安の裸なんぞ見たくないわ」


依麻はそう言い、壱に向かってビキニを投げる。
壱は華麗にキャッチし、ビキニをまじまじと見つめた。


「……エロティック・サンデー」


壱はぽつりと呟き、怜緒の首元を掴んだ。


**


「——壱、出来たー?」
「出来た出来た」


壱が公衆便所から出てきて、笑みを浮かべた。
その笑みに依麻はとろけそうになりながらも、正気を保つ。


「姫吉怜緒ちゃん、登場」


壱がそう言うと同時に、ビキニ姿の怜緒が出てきた。


「………………………………

















ぶっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」



















しばらく間が空いた後、依麻は盛大に吹き出した。
そしてそのまま地面に倒れ、「アヒャヒャヒャヒャ」と下品な笑い声を上げる。
壱はその姿を、茫然と見つめていた。


         ——しばらくお待ちください——




「——はぁ、やっと落ち着い……ぶっ」
「水城、落ち着け」


壱の冷静な声を聴き、依麻は必死に笑いをこらえた。
目の前では、フリフリのピンクのビキニを着ている姫吉怜緒——。
一番小さいサイズを買ったらしいが、痩せ形で細身な怜緒にはスカスカ。
そして何故か、放送禁止レベルなものが今にも見えそうになっていた。


「……ちょ、何これ。なんか危ないものが……」
「見るな、見るなぁぁぁっ」


怜緒は慌てて手で隠し、しゃがみこんだ。
壱は頭を掻きながら、「あー」とだるそうに呟いた。


「なんか(放送禁止用語)しまおうと思ったら、『俺の(放送禁止用語)がぁぁぁぁぁっ! 痛いぃぃぃぃっ!! (放送禁止用語)が折れる!! (放送禁止用語)!!』って叫びだすからさ。ちょいポロッた」
「ポロッたって壱さん……。しかも君、顔に似合わず放送禁止用語連発……」
「だって俺も男だし、そこだけは姫吉に同情する」


壱は親指をグッと立て、笑みを浮かべた。
依麻は今にも出そうな『壱に抱き着きたい』衝動を抑えて、壱の顔を見つめていた。


「……で、水城。穴は出来た訳?」
「ばっちりっす! 恋の炎で頑張りました! 燃え尽きました!!」
「……?」


うっかり口走った言葉は、壱にはまったくわからない様子だった。
彼が天然でよかった、と心の中で小さく溜息をついた。


「——じゃあ、姫吉来い」
「ギャウッ!」


壱は首元のビキニの紐を引っ張った。
怜緒の顔は更に蒼白になり、白目を向いた。


「やっぱ、ビキニに砂と言ったら、よくあるアレでしょ!!」
「……アレって……まさか……」


怜緒の顔が、青ざめる。
言葉に表せれなくなるくらい真っ青で蒼白な怜緒の顔を見て、笑いを堪えながら依麻は言葉を続けた。


「そう、そのまさか! オルァアアアア!!」


依麻は怜緒に頭に向かって、滑り台の上からとび蹴りをした。
『ゴキ』と危ない音がした後、怜緒は穴へとまっさかさまに落ちて行った。


「グェオッ!! デロ」
「うわ、なんか吐いた!!」
「壱、早く埋めて! 感染するよ!」
「か、感染!? ……わかった」


壱は素早く穴を埋めようとした。
どんどん穴がふさがって行くのと同時に、怜緒は人間とは思えない奇声を上げていた。
壱は穴を埋めるスピードをアップさせ、数分後、無事に穴を埋める事が出来た。


「……よし、これで漬物石乗っけるんだよな?」
「うん! 台車の中にいっぱい漬物石乗せてきたから」
「おぉー」


依麻は台車から漬物石を取り出した。
重さにふらつきそうになりながらも、思い切り振りあげる。


「せーのっ!」


ゴッ


「せーのっ!」


ドスン


「せーのっ!」


ドンドンドンドンドンドンドンドドスコドンドンドンドンドンドンドンドン


「——こんだけ乗せれば、もう二度とよみがえらないよな?」
「多分大丈夫っしょ。……仕上げに、これを……っと」


依麻は『平安の墓 怜緒のばか』と書かれたものを、怜緒が埋められた場所にぶっ刺した。
『ピギィィィィィィィ』と聞こえたのは、多分空耳だろう。


「平安1、撲滅終了だね」
「俺ら、もう出番なし?」
「いや、多分ある……はず。多分」
「多分かよ。……まぁいいや、お疲れっした」
「お疲れっした」


依麻と壱はそれぞれ呟き、歩き出した。
他の人達は、どうなったのだろう。
香織は確か、孝文君とだよね。
私の方はラブハプも何もなかったけど、香織は順調に行けばいいな……。


依麻は心の中でそう思いながら、怜緒のビキニ姿を思い出して再び吹き出した。