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Re: *叶恋華*Ⅱ β実話β ( No.131 )
日時: 2011/09/11 21:30
名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: 9jf1ANEm)
参照: 好 き だ !!

+番外編+ 『平安撲滅企画④』


七瀬龍夜×七瀬康義
ターゲット:鈴野愛可
テーマ:『平安時代を味わおう』


龍夜と康義は、愛可を引っ張って鉄棒の所へ来た。
そのまま動けないように、ぐるぐる巻きで逃がさないように紐で縛った。


「平安の七三お姉ちゃん、ごめんねぇ」
「誰が平安の七三お姉ちゃんよ! このモチ!」
「俺の弟馬鹿にすんなよー! このブス!」


龍夜はそう言い、ヘアワックスを取り出した。
そしてそのまま、ヘアワックスのクリームのかたまりを手に乗せる。


「……っちょ、ちょっと、何する気!?」
「七三ヘア極めようぜ!!」
「きゃあああああああっ」


龍夜は、ヘアワックスのかたまりを愛可の頭の上に乗せた。
ベタベタになった髪の毛を、素早くぐちゃぐちゃにした。


「康義も早く!」
「おっけー!」


兄弟のコンビネーションで、龍夜と康義は頭を掻き交ぜる。
愛可は「いやぁぁぁぁぁ」と悲鳴を上げる事しかできなかった。


「そして、七三を……っと。康義、定規」
「はいっ」
「七三の幅は……どのくらいがいいかなー」


龍夜は定規で幅を図り、きっちりと七三を固めた。
七三はしっかりと固定され、他の髪型はボサボサ。
実に、恐ろしい髪型となった。


「ぎゃははははっ! 次は〜、これだ!」
「あ、それっておねえちゃんの……」
「ねーちゃんと母さんのコスメ道具から、勝手に持ってきちゃったー」


龍夜はニヤリと笑い、姉の香織から無断でとってきたコスメ道具を取り出した。
康義は目を輝かせ、コスメ道具を見つめる。


「色々あるんだねぇ〜」
「平安といえば、やっぱ眉毛はマロじゃなきゃね」


じょり。
そんな音がしたかと思えば、愛可の眉毛がなくなった。


「あぁぁぁぁぁぁ何すんのよーっ!!」
「ねーちゃんが言ってたぞ。平安は全剃りだって」
「何よそれ、意味わかんない!!」
「あ、そんな激しく動くと……」


じょりすぱ。
そんな効果音が響いた。
もう片方の眉と、固めた七三分けの『三』の方がなくなってしまった。


「……ぶっ!!!!」
「何やってんだよ〜!」
「きゃあああああ愛可の髪がぁぁぁぁぁぁぁ」


愛可は叫び、再び暴れ出した。
しかししっかりと紐で固定されているので、いくら動いても逃げることはできなかった。


「ンギギギギギギギギギギギギギギッギギギギギイギギギギ」
「怖っ! 顔の血管浮き出てるよー」
「ここの血管切ったらどうなるかな」
「さすがに死ぬでしょ」


龍夜と康義はそう話しながら、とってきたコスメ道具の中から口紅を取り出し、愛可の口に向かって塗りつけた。


「ンムムムッムムムムムムムムム」
「ぎゃははははははこれ面白い」
「えー、やらせてやらせて!」


無理矢理口紅を押し付け、口紅は凄い勢いで減っていった。
そのまま耳まで口紅を塗り、口裂け女みたくなってしまった。


「ぶ、平安なのに口裂けだーっ」
「何よこれぇ、落としてよーっ!!」
「やなこったー」


次に、康義が持ってきた油性マーカーを取りだす。
それを全剃りした眉毛に向かって、ぐりぐりと思い切り押し付けた。


「アギャギャギャギャギャyガギャギャギャギャギャギャギャgyサgyサギャギャgyサhsジャオdgftゴエフpjsdコ:pl」;アsd、フィウェkfl、エ。w」
「あ、動くからマロじゃなくなっちゃったー」
「いいんじゃね? ぶぶぶ」


康義が眉毛を書いている間に、龍夜は白い絵の具を愛可の顔面に向かってぶちまけた。


「ウゴゴゴゴゴッペッペッペッペップェエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ」


愛可は叫びながら動いていたため、絵の具が口の中に入ってしまったらしい。
しかし龍夜はお構いなしに顔面に絵の具を塗りたくる。


「バカ殿みたい」
「ぶぶぶ」
「ていうか、眉毛と顔の描く順番間違ったねー」
「確かに。まあいいや〜」


次に、マスカラを取り出した。
龍夜はマスカラを取り出し、首を傾げる。


「確か、ねーちゃんや母さんはこんな風に……」
「イデデイデデイデデイデエエエエエエ目に入ってる! 目に! ンメエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエン」
「なんかヤギみたい」


龍夜は思い切り目にマスカラをくっつけ、上下に動かした。
隣で康義がくすくすと笑う。


「なんかおかしくなったや」
「良いんじゃない?」
「良いよね。……じゃあ、次は墨汁を……」
「墨汁なんて何に使アガアアアアアアアアアアアアアゴペェエエエエエエエエエエエグワッシャアアアアアアア」


龍夜は愛可の口に墨汁を注ぎ込んだ。
愛可の口の中は真っ黒になり、『おはぐろ』が完成した。


「じゃあ、最後に筆持たせて……っと。完成ー」
「何よこれゴバベバボ」
「森野先輩が見たら絶対褒めてくれるねー」


康義と龍夜は、お互いにハイタッチした。
兄弟のコンビネーションとは、恐ろしいものだ。
顔面蒼白校内墨汁七三分けの愛可の頭の中に、その言葉だけが木霊していた。


「じゃあ、平安2、撲滅終了だね!」
「平安はこのまま縛っておいていいんだよな?」
「うん、多分小さい子とかがやってきてこれ見たら泣くと思うけど」
「いいよいいよ、そんなの」


龍夜と康義は、笑いながらその場から去って行った。
森野先輩に褒められる。
それだけを楽しみにしながら——。


「ちょっと、離しなさいよーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン」


公園に、愛可の叫び声だけが響いていた。