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Re: *叶恋華*Ⅱ β実話β 39.【勘違い≒期待】更新! ( No.159 )
日時: 2011/10/19 14:12
名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: FlsHeB77)
参照: 完結まで頑張るぜぇえええええええええええいっ←

第四十一話『膨らむ期待』


次の日——。
相変わらず、今日も珠紀壱くんは眩しいです。
いやぁ、かっこいいかっこいい。


そう思いながら前から歩いてくる壱を見つめると、目が合った。


「……っ」


『私が実験しても全然合わない』
そんな、由良の言葉を思い出した。
ええい、目が合うのは私からガン見してるからだ!!
そうに違いない、自惚れてちゃ駄目。
そう言い聞かせると共に、私は素早く壱から目を逸らす。
出来るだけ早足で壱の横を通り過ぎ、彼の姿が視界から消えた後に頬を押さえた。


たった、これだけの時間。
すれ違っただけでも、こんなに頬は熱くなるんだ——。


**


「——今、壱が依麻の事見てたよ」


とある休み時間。
愛奈の席でいつものように話していると、由良がそう言ってきた。
愛奈の横にはいつも通り龍が居て、龍の傍には壱が居て——。


……って、今何て言った?


「え?」
「ニコニコしながら〜! ヒューッ」


突然の事で、状況が理解できない。
壱が? 私を? 見ていた? ニコニコしながら?
……それはきっと、錯覚だろう。
壱が私なんかを見るはずがない。
ニコニコなんてするはずがない。


わかってる、わかってるけど——……。


「あ、そうそう。給食時間、壱がまた依麻の事見てたよ」
「え」
「ね、めっちゃチラ見してた」


優の言葉に、付け足すように由良がそう呟いた。
——そんな風に言われたら、やっぱりドキドキする。
『あり得る訳ない』『こんなの間違いだ』。
わかってる、それはわかってるのに——。


やっぱり、人間は無意識に期待しちゃう生き物であって。
私の心の中は、『期待』でいっぱいになっていた。


どっちにしても、いずれかはちゃんと壱に気持ちを伝えたいとは思う。
だけど、修学旅行前に告白して、振られたらどうする?
修学旅行が一気に地獄へと変わります。
気まずいったらありゃしないよ、絶対!!


どうすれば、いいかなぁ——?
私は膨らむ期待を押さえ、頭の中でたくさんの事を考えていた。

























数カ月後、この甘い期待が崩れ去るとも知らないで——。