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Re: *叶恋華*Ⅱ β実話β  ( No.228 )
日時: 2012/04/22 17:47
名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: eGpZq2Kf)
参照: らんらんらん

第六十二話『体育祭と気持ち』


誤解がとけて、休日を挟み——。
太陽の光が輝く、日曜日。
本日は、いよいよ体育祭です!


やっぱり今日も、壱はかっこいい。
私はそう思いながら、クラス指定の赤い鉢巻を頭に巻く。


「——では、百メートル男子、準備しろー」


福野がそう言い、男子たちは百メートルの場所へと向かった。
女子は男子の次なので、まだ本部席に居ることが出来る。
私は背が低いので、本部席では前で見る事が出来る。いぇい。
そこだけは背が低いことに感謝、うん。


「壱、頑張れーっ!!」


男子が次々と走っていると、男女問わず黄色い声援が壱に対して湧き上がった。
男子はもちろん、やっぱり女子からも人気だなぁ……。
ちょっぴり嫉妬。


「——壱、お疲れ〜」
「あ〜、お疲れ〜っす」


走り終わった壱に対し、女子がそう言った。
壱は乱れた髪を軽く直し、いつものけだるけな口調で笑みを浮かべる。
かっこいいなぁ、と思わず見とれていると——……。


不意に、目が合った。
一瞬睨まれたかと思ったけど、違うよ……ね?
目がキリっとし過ぎて、区別がつかない。
睫毛も長いし、肌も綺麗だし——。
男子なのにスタイル良いし、短パンを履いていて見える足も美脚だ。
背中から抱き着きたくなる、その姿。


やっぱり、壱の彼女になりたい。
そんな気持ちだけが強まった。


やっぱ、好きなんだって。
気まずくても、大好きなんだって。
接点がなくても、好きなのには代わりないよ。


誤解だったんだから、きっと大丈夫。
まだいける、うん。


初心に戻ったと思って、頑張ろう。