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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: *叶恋華*Ⅱ β実話β ( No.39 )
- 日時: 2011/07/24 18:56
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: HpE/sQXo)
- 参照: こんな人生寂しいです(by.BadBye
第七話『視線と距離』
時間が経ち、あっという間に給食時間終了。
何も起きず、平凡な一日にぼんやりしながら、私は牛乳パックを置きに行く。
「お、依麻ー。ねー聞いて! 中条がねー」
牛乳パックを置くための列。
ちょうど私の前に由良が居た。
由良は前に並んでいる中条の肩に手を置きながら、何やら爆笑している。
何がそんなにおかしいのかよくわからなかったが……。
私も話に合わせて笑みを作り、顔を上げる。
そんな時。
ちょうど、向こうに居た壱と目が合った。
「……っうっ、あ、な、中条うけるねー!」
まさか、ここで目が合うとは思ってなかったから。
明らかに挙動不審。
私は戸惑いながらも笑顔を作り、壱から目を逸らして牛乳パックを触った。
……駄目だ、やっぱ逸らしちゃう。
壱と目が合うたび、由良の言葉を思い出す。
壱のあの気だるけな表情を見る度、なんだか胸が苦しくなる。
壱は、顔に出さなくてもこんな奴に好かれるなんて、迷惑だって思ってるかもしれない。
私が勝手に壱を目で追っちゃって、壱がそれに気づいて目が合って、私から逸らして——の繰り返しで。
それも、うざいって思われてるかもしれない。
前に志保ちゃんたちと話してるとき言ってたよね。
チラ見されるのがイライラするとかなんとかって。
それならば、目が合ってもすぐ逸らした方がいいかもしれない。
でも、それじゃあ感じ悪く見えるし……。
それでも——、
——やっぱり、距離を置いた方がいいのかな。
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