コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: *叶恋華*Ⅱ β実話β ( No.46 )
- 日時: 2011/07/28 17:56
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: ixsLSGyl)
- 参照: こんな人生寂しいです(by.BadBye
第十一話『どう思ってる?』
今日も普段通りに時間が過ぎていき、あっという間に放課後。
今日は三計測の時や、龍の席に来たときとか——。
少しだけ近くに居れたから、私としては満足かも。
そう思いながら、掃除の準備をした。
「おりょりょりょりょ」
再び黒板消しで二刀流をする。
うん、やっぱりスッキリするよこれ。
そう思いながらふと後ろを振り返ると、班のメンバーに紛れて壱の姿が見えた。
……ん? 壱!?
もう一回目を凝らして見てみると、壱は机を運んでいた。
今日も掃除を手伝ってくれている……!!
また零か原田くん待ちかな?
どっちにしても、目で追いすぎないようにしなきゃ……。
私はそう自分に注意をし、黒板を消す作業に専念した。
**
「——これから掃除の反省会を始めます」
掃除が終わり、掃除の反省会。
班長の乙葉が教壇の前に立ち、それぞれ指示を出す。
それと同時に、壱が赤茶色のジャンパーを華麗に羽織り、肩にバッグをかけて原田くんに近付いた。
「……じゃあ、行くわ」
「うん、じゃあね」
原田くんが手を振ると同時に、壱は一人で去って行った。
あらららら?
原田くんでも零待ちでもなかったの?
ただ、掃除を手伝ってくれてただけ——……?
そうだとしたら、なんて優しいんだ。
「——これで掃除の反省会を終わります」
「終わりまーす」
掃除の反省会も終わり、私は廊下へ向かう。
廊下に出ると、壁に寄り掛かっている愛奈と目が合った。
「どうしたの?」
「んー? 暇だったからここに居た」
愛奈は笑みを浮かべ、ジャージのポケットからリップクリームを取り出した。
それを形のいい唇に塗り、私の顔を見る。
再び目が合い、私は笑みを浮かべた。
「じゃあ一緒に帰れる?」
「いいよ。——んじゃあ、ちょっとトイレ行こう」
「おー、いいよ」
頷くと、愛奈が先に歩きだした。
私は愛奈の後ろに歩き、そのまま女子トイレに足を踏み入れる。
もう放課後なので、私と愛奈以外誰もいなかった。
「——あー、そういやさ」
「んー?」
愛奈は鏡の前で、髪の毛を整えながら私を見た。
同じく横で髪の毛を整えてた私も、愛奈を見る。
「私の隣、門外じゃん?」
「……うん」
愛奈から出たその意外な名前に、私は軽く驚きを覚える。
龍がどうしたんだろう?
「なんかねー。よくわかんないけど……」
「何々?」
「門外が壱と話してる時に、門外が急に依麻に指差してさ」
「へ」
「バレ、——……ん〜とね、何て言ってたっけな……」
「なぬ」
そんなの、気付かなかった。
いつ龍が私に指差してた!?
ていうか、何故に指を差す?
「あ、思い出した。なんかねぇ、壱が門外に『裏切り者』って言ってた。よくわかんないけど」
「……え」
裏切り者ってなんじゃ。
どうしてそんな話に発展するんだ。
「んで、気になったからさ。私が門外に、『壱って依麻のことどう思ってんの?』って言ったら、両手挙げて「?」ポーズしてた」
「え」
龍がそのポーズをするときは、大抵知っている時だ。
……となると、絶対龍は『壱が私のことをどう思ってるか』って知ってるはずだよね!?
だとしたら——、なんだよそれ。
超 気 に な る じ ゃ な い か !!
——その日の夜、気になり過ぎて私が寝不足になったのは言うまでもない。