コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: *叶恋華*Ⅱ β実話β ( No.66 )
- 日時: 2011/07/31 17:43
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: YNzVsDBw)
- 参照: http://www.youtube.com/watch?v
第十八話『My Birthday』
四月十五日。
私のBirthday。
十五回目の、誕生日。
「——水城さん、あなた提出物も出してないし遅刻回数も多いし、どういうことなの」
そんな誕生日の朝に、思いっきり遅刻した私。
朝から副担任の先生に怒られてます。
この先生、遅刻に厳しいんだよなぁ……。
「すいません……。えっとですねぇ……」
「先生真剣に話してるんだけど。笑わないでちゃんと聞きなさい」
笑ってません、これ元の顔ですよ先生。
そんなニヤけた顔してますか、私。
願いも虚しく、説教は長々と続いた。
**
「……はぁ」
長い、実に長かった。
今日は福野が休みらしく、副担任の先生が代わりに入ったのでなんとか朝の会には説教が終わったが……。
先生と共に教室に入る形となったので、思いっきり注目を浴びてしまった。
視線が痛いっす……。
「——依麻ーっ! おはよう!」
「あぁ……おはよう……」
すっかり下がったテンションで、由良に挨拶をした。
由良の横には愛奈を引っ張った優もやってきて、私の席の前に立つ。
「……じゃあ、いい? ——せーのっ」
由良の掛け声と共に、優と愛奈も笑みを浮かべた。
そして、
「「「お誕生日おめでとう〜っ!!」」」
声を揃え、何やら袋に包まれたものを渡してくれた。
その三人の大きな声に、クラスのほとんどの人がこちらを向く。
私は驚きながら、その袋をゆっくりと受け取った。
「あ、ありがとう……っ!!」
誕生日、忘れられてなかった!!
中二の時なんてほとんどの人に忘れられて、学校の人に誰からも「おめでとう」なんぞ言われなかった。
久しぶりに言われる『おめでとう』の言葉に、とても嬉しくなる。
「袋の中は、私達からの手紙ですっ! そして、誕プレは予算がなくてありませんっ」
「え」
「ごめん、誕プレ買うお金がなかった……。って事で、プレゼントはまた来年期待してて!」
……まぁ、誕生日プレゼントがなくても『おめでとう』があれば私は嬉しいよ!!
笑顔で袋を受け取り、失くさないよう大切にバッグの中にしまった。
すると、
「——七ヶ月だね」
後ろから龍の言葉が聞こえてきた。
少しだけ視線をずらすと、龍の席の横に壱が来て、話していた。
「七月……十五日……」
壱がそう呟いたのを、私は見逃さなかった。
七月十五日は、由良の誕生日だ。
な、由良の誕生日に何が……っ!
しかも七ヶ月って何!?
「——めんどくさいからいいやっ」
壱がそう言うと同時に、チャイムが鳴った。
な、何がめんどくさい!?
ていうか、七ヶ月ってもしかして記念日?
去年の七月十五日に付き合ってたとして、今日四月十五日が七ヶ月記念日なら——。
七月十五日になれば、ちょうど一年だ。
えぇぇ、まさかの誕生日に壱の恋人疑惑?
私は何だかモヤモヤした気分になりながら、前を向いていた。