コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: *叶恋華*Ⅱ β実話β ( No.75 )
- 日時: 2011/08/03 19:15
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: hzhul6b3)
- 参照: http://www.youtube.com/watch?v
第二十二話『衝撃発言』
from.林田
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あのですね、えーとですね、
いま、メールしてる人…………
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「…………え?」
思考回路が停止するのと、時計の針が二時を過ぎるのはほぼ同時だった。
あぁ、もう二時間くらいメールしてたんだ……って、
そ う じ ゃ な く て !!
「えええええええええええええええええええええええ!?」
私は、絶叫した。
思わず携帯を投げ捨てた。
お母さんから冷たい視線を当てられようが、私は気にせず叫んだ。
「依麻、なしたの」
「な、何も……っ」
お母さんにそう言い捨て、携帯を拾い上げた。
ボタンを押すと、開きっぱなしだった先程のメールが画面いっぱいに広がった。
「えええええ」
これは何かの冗談だ、冗談に決まってる。
ホラ、今の時代、嘘告白とか流行ってるじゃん?
き、きっとそれだよ。そうに決まってる。
だって、私なんかのどこに惚れる要素がある?
from.依麻
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それ、本当に?
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from.林田
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ほい、無理でげすか?
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でげすかって!!
げすかゲスカげすげひゃひゃひゃ。
思考回路が壊れかけながら、メールを打った。
from.依麻
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え、私なんかの何が好きなの?w
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それしか頭になかった。
仮にこれが嘘告白じゃなくて、本当だったら。
私なんかの、何が好きなのか——……。
前に同じような事を、壱に聞かれたような気がする。
『俺の何が好きなの?』って。
壱もきっと、こんな気持ちだったのかもしれない。
「……っ、」
黙っていると、先程より返信速度が速くなった着信音が鳴り響いた。
私は肩を大きく揺らし、メールを見る。
from.林田
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まあ、ぜんぶっ!
いいとこいいっぱいあるからようわからん!
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ええええええええええええ。
私にいいとこなんて……。
いいとこないから、失恋しまくってるんじゃないんですか?
友達が離れていくんじゃないですか?
from.依麻
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私にいいとこなんてないよ0Д0
でもありがとうw
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とりあえず、素直に嬉しかったのでそう返した。
するとすぐに返事が返ってきた。
from.林田
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時間なんでもう寝まーす
おやすみ〜
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そのメールを見て、私は返事を返さずに携帯を閉じた。
そしてそのまま、倒れるようにベッドに飛び込む。
もう、時刻は二時半近い。
今日は日曜日だし、早起きはしなくてもいいけど——……。
なんだか色々あったし、寝ようかな。
私はそう思いながら、部屋の電気のスイッチを消す。
「……」
頭の中では、さっきのメールの内容がぐるぐる駆け巡っていた。
イマイチ状況が読めなかったけど——……。
どうすれば、いいんだろう。
「……あ」
暗闇の中で考えていると、ある言葉を思い出した。
——『誠が、依麻の事好きなんだよね』
二年生の冬休み明け、由良に言われたその言葉。
今更になって、その言葉を思い出した。