コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: *叶恋華*Ⅱ β実話β ( No.79 )
- 日時: 2011/08/04 18:41
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: SU4m4287)
- 参照: http://www.youtube.com/watch?v
第二十三話『林田の本気』
次の日の夜——。
再び、林田からメールが来た。
点滅された“林田 誠”という文字に、どれほど動揺したことか——。
私は恐る恐る携帯を開き、メールボックスを見た。
from.林田
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メールしよbb
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……お?
昨日の事は気にしてないのか。
やっぱ嘘だったのかね?
そう思いながら、普通に返事をした。
しかし、
from.林田
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んじゃあ、昨日のことについて……。
どう思いましたか?
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「え」
そう来ちゃいますか。
どう思う……って言われても……。
私の好きな人は、壱だ。
だけどそれをハッキリ言って、誠がバラすような真似をしたら終わる。
だからここはオブラートに包んで、
from.依麻
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気持ちは嬉しいよ^^*
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素直な意見。
普通に、気持ちは嬉しかった。
私の事を好きと言ってもらえて。
だけど——……。
from.林田
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そっかそっか、ほんならよかったわ〜
この告白?っぽいのは、
OKもらえるのかなぁ?
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いやいやいや、ちょっと待って下さい。
な、なんて返せばいいんだ……。
こういう状況、十五年間生きてきた中で初めてだ。
水城依麻、どうすれば——?
そう思いながら携帯を見つめて言葉を考えていると、
「ひっ!?」
再び、着信音が鳴り響いた。
な、何何何!?
from.林田
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あれ?
メール届いた?
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届 い て る よ !!
慌てないでください、林田誠くん。
え、えっと、どうすれば……。
慌てていると、再び着信音が鳴り響いた。
from.林田
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届いてなかったら、もう一回送るぜい
そっかそっか、ほんならよかったわ〜
この告白?っぽいのは、
OKもらえるのかなぁ?
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どうして返事が来る前に、二回も同じことを……。
早く返事をしてくれって事なのか? そうなのか?
「……」
私は、壱が好き。
だから林田の気持ちには、答えられない。
林田の事は、普通に良い人だとは思うけど——……。
でもやっぱり、私は壱が好きだ。
でもなんて断れば——。
告白されたことある人って、どうやって断ってるの?
あんまりスッパリ過ぎちゃあ……うん。
私は振られた人の気持ち、痛いほどわかるし。
壱のメールのやつもいれれば、九回失恋経験してるし。
そう思ってると、また着信音が鳴り響いた。
from.林田
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とどいてるー?
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……どんだけこの人は……。
もうしつこいほど届いてるっつーの!!
from.依麻
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今届いた!!
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私は嘘をつき、今届いた設定にした。
するとすぐに林田から返信が来る。
from.林田
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おぉ……
ごめんごめん><
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from.依麻
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いや、こっちこそごめんね0Д0
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from.林田
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ええよええよ
ところで、メール見た?
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見たから返してるんでしょうが、というツッコミは置いといて……。
from.依麻
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見たよ^^
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冷静に対応して、そう返した。
余計な事は書かず、一言のみ。
すると、すぐに林田からメールが来た。
from.林田
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ごめん、もう時間だ。
また明日学校で会えたらね〜
おやすみ〜zzz
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from.依麻
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あ、そっか!
わかったよ〜b
また明日学校でね^^*
おやすみ〜zzz
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この林田のメールは、本当に時間になったからやめたのか——。
それとも、私がいつまでも逃げてばっかりで返事を言わないから、やめた……のか。
どっちにしても、私が逃げてるのには変わりなかった。
でも……どうすればいいのか。
弱い私は、逃げるしか出来ない。
今まで何回も振られてきた立場だからこそ、どうやって言葉を選べばいいのかわからない。
痛みがわかるから、傷つけることが出来ない。
でも——。
きちんと返事を出さないこそ、林田を傷つける。
そんなの、わかっているのに——。
私は、やっぱり逃げる事しか出来ないんだ。
——だけど、私はこの時まだ知らなかった。
これが、後の大きな出来事に繋がることになるなんて——……。