コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: *叶恋華*Ⅱ β実話β ( No.92 )
- 日時: 2011/08/11 16:01
- 名前: 絵磨 ◆VRtMSlYWsU (ID: MT1OWC7F)
- 参照: http://www.youtube.com/watch?v
第二十六話『類似の法則』
「あー!! だー!! どうしよう、めっちゃ緊張するよ!!」
放課後。
挨拶が終わって一番に教室に出てった由良は、教室に居る私にも聞こえるほど大きな声で叫んでいた。
まぁ、告白するっていうのは緊張するよねぇ……。
——告白、かぁ……。
少しだけ、林田の顔が浮かんだ。
だけどそれは、壱の顔にかき消される。
『告白されたら意識する』。
よく聞く言葉だけど、これは本当だと思う。
だって今、現に林田の顔浮かんだよね? 私。
人間って、不思議だよなぁ……。
そう思いながら、廊下へ出る。
そして由良の横にバッグを置いた瞬間、
「うわぁ!?」
「!?」
由良は絶叫し始めた。
え、え?
私、なんかした?
「な、なしたの? 由良……」
「壱が飛んできたかと思った!!」
「はい?」
な ぜ 壱 ?
「今、依麻がめっちゃ壱に見えたんだって!! いやぁびっくりしたー。まじ心臓に悪い」
「え、え」
状況が掴めず混乱していると、騒ぎを聞きつけた優が来た。
優は由良の顔を見て、クエスチョンマークを浮かべている。
「どしたの」
「優、あのね! 依麻がめっちゃ壱にみえたの!! なんかさぁ、依麻と壱って似てない?」
「うん、似てる」
「だよね!? 優もそう思うよね!」
なんかおかしな話題に。
私と壱が似てる?
え、どこが!?
「このほっぺラインとかさぁ」
「え」
ほっぺは私のコンプレックスでもあります。
笑うと、異常に盛り上がるほっぺ。
これのせいで、余計に顔がでかく見えるんだ。
中一の時、部活で『岩』とか言われるしね。うん。
小三の時も、森野に『笑顔キモイ』とか言われた。
昔から、このほっぺは大嫌いだ。
「そう? 私的に目が似てると思うけど」
「え」
「——あぁ〜、確かになんか似てるかも!」
壱の目、キリッとしてるよね?
私の目、キリッとしてないよね?
私はよく一重のせいで『目つき悪い』と言われるが……。
え、ええ?
「好きな人ってさ、なんか自分と似ない?」
「わかるそれー! やっぱその人に近づきたいからじゃない?」
由良と優は、私を置いて盛り上がり始めた。
未だに状況が掴めない私は、二人を茫然と見つめる。
好きな人と自分が、似る?
「……」
私、壱に似てきてるのかなぁ……?
壱に少しでも近づけてる?
コンプレックスのほっぺも、役に立つところもあるのかな。
そう考えると、嬉しかった。
そして、この後の由良の告白も見事成功し——。
また新たな『リア充』と呼ばれる人が出来たのは、言うまでもない。