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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- 似てない双子 ( No.5 )
- 日時: 2011/08/04 12:41
- 名前: ★逢夢☆ (ID: 2ft.mOaW)
〜3〜
「ほらほら、早く学校行きなさい!」
玄関で靴をはいてる私をお母さんが急かす。
「もう、唯琉も待ってくれてるんだから!!」
うぅ…
お母さんはいつも唯琉の味方につく。
「はぁ…。」
私は溜め息をついて唯琉と一緒に家を出る。
「行ってきまーす。」
「行ってきます…。」
「どうしたの?亜琉ちゃん。」
二人で歩いていると、唯琉が私に問いかけてきた。
「何にもないよ。」
私はそっぽを向いて答えた。
だって、「私は唯琉に負けてるなと思って」とか言ったら、ほんとに唯琉に負けたような気がするから…。
「よお!亜琉!」
ドキッ
突然後ろから声をかけられた。
「元気ねーなー。寝不足か?」
「ち、ちがうもん!ほっといてよ!」
「あはは。八当たりか?」
「…」
こいつは小学生の時からの付き合いの、青森勇真(アオモリユウマ)。
正直うっとおしい。
「唯琉、行くよ!」
「う、うん…」
私は唯琉の手を引っ張って、勇真から離れた。
「あ、亜琉ちゃん…痛い…」
私は唯琉の言葉にはっとして、唯琉の手をはなした。
「ごっごめん。」
「…」
しばらくの沈黙の後、唯琉の口がゆっくり開いた。
「亜琉ちゃんって—…」
「ん?」
「やっぱり何にもないっ」
「?」
唯琉が言おうとしてこと、私にはまだわからなかった。
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