コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: +Rainbow Light Music+ ( No.9 )
- 日時: 2011/07/20 19:28
- 名前: 苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: xe6C3PN0)
- 参照: ▼ 明日から夏休み〜ウヒョ
第四話『危機一髪』
入学式の翌日。私は重たい瞼を開けて、とりあえず学校へ向かった。
……もし、この四人と違う学校だったら、新学期早々休んでいたかもしれない。
休み時間や、弁当の時間は、この四人と一緒にいればいいしね。
ただ、クラス行動のときはちょっと不便だけど。移動教室も、体育の着替えも一人かな……。
そう思うと、不安がどんどん募ってきた。
高い高い波が、後ろから襲ってきているような感覚を覚えた。
……怖いよ、私本当にここで一年間やっていけるの?
「じゃあね〜桜」
「うん」
凛子と里子はC組へ、健と純也はE組へ向かっていった。
あーあ……B組、いやだなぁ、ほんとうに。
そうおもいながら、とりあえず私は席に座った。
……なんか昨日よりグループができちゃってるきが。
あ、そうだ!! 昨日言ってた森沢江実ってやつは!?
辺りを見回して、怖そうな人を探してみた。
ん〜……別に、そんな不良! って感じの人はいない。
いや、格好はそうでなくても、すごいワルだったりして。
でも、やっぱりそれらしき人はいなかった。
里子たちの間違いじゃない?
そう願ったのも、つかの間……——
教室の入り口付近には、明るい茶髪のロングヘアーの女子がいた。
眉間にしわを寄せていて、両腕にはばんそうこだらけ。
スカートは極端に短く、制服も乱れまくっている。
大きなピアスに、デカいネックレスをジャラジャラつけて、メイクはすっごいギャル盛り。
キラキラのアイシャドウに、バッチバチのつけま。
これ……里子のメイクより濃いかも。
私は、開いた口がふさがらない状態で、その人を見ていると……。
目 が あ っ た
……千崎桜、一貫の終わり。
思わず硬く目をつぶった。こういうとき、里子がきてくれれば!
「……あんた、どこ中?」
「ひっ、えっ、はっ……」
は、はなしかけられたぁあああああああああ!!
だめだ、このあときっと「こっちこいや」とかいって、校舎の裏側でリンチが始まるんだ!
私は全身ががちがちに震え上がっていた。
「……は、春椿、中学校……です」
「春中!? あ〜……新垣と一緒か」
新垣!? この人、里子のことしってんの!?
「うちは星中だから〜んまぁ、よろしく……」
「えっ、はっ、はぃ……ってえ?」
今、よろしくっていった?
森沢江実は、その場を通り過ぎて、自分の席に座った。
あれ? なにもされてないぞ?
どうやら、命拾いしたらしい。
よかったああ!!
**
休み時間がきた!!
私は、すぐさま教室を出ようとしたそのとき……——
それは、担任によってふさがれた。
あー! そこ抜け出したいのに。
「次は講堂で歓迎行事なので、出席番号順に並びなさい!」
並ぶ!? え? もういくの?
ってことは……凛子たちと、喋ることができないじゃん!!
残念……ためいきをつくと、私は自分の場所に並んだ。
歓迎行事というのはまぁ、新入生の歓迎をする会。
三年生が毎年、なにかを考えてくれていて、クイズとか部活の演奏とかを、見せてくれるらしい。
中学の時もこういうのはあったから、別に違和感はなかった。
歓迎行事を終えると、クラスごとに教室に戻ることになっていた。
B組のときになると、私はさっさと講堂を出て、教室に戻ろうとした、そのとき……。
誰かに思いっきり、肩をつかまれた。
おそるおそる、後ろを見てみると……——
森沢江実だった。
「えっ?! な、な、な、は……」
「つぅか名前聞いてなかった! なんだっけ?」
「……名前? あ、千崎桜、です」
なんで名前なんてきいてくるんだ!
森沢江実の顔は、近くで見ればみるほど、迫力があった。
……周りの人が怯えた表情でうちらをみてます!!
「ふ〜ん……じゃあ、桜だね。うちは、森沢江実だから〜江実でいいよ」
「え、江実……!?」
「別にいやだったら、桜が決めてもいいよ〜うちは、べつになんと呼ばれてもいいから!」
え、あの……これって……俗に言う友達になるための会話?
私が「江実でいいですよ」といおうとした時だった。
「おい! 森沢!!」
けたたましい叫び声が聴こえた。
その声の主は、紛れもなく、里子の声だった。
里子は、どんどん私達に近づいてきた。その表情は鬼そのもの。
「……新垣じゃん、久しぶりだね」
「久しぶりだねじゃねぇよ! うちのダチになにやらかしてくれてんだよ!!」
さ、里子……森沢江実はなんにもしてないよ。
ッていおうとしたけど、それどころじゃあなかった。