コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: +Rainbow Light Music+ ( No.18 )
- 日時: 2011/07/22 18:05
- 名前: 苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: xe6C3PN0)
- 参照: ▼ 上辺ゎ関わってこないで下さい
第六話『意外な事実』
月曜日、今日から六時間授業がはじまり、いよいよ本格的な高校生活が幕を開けた。
私は、凛子たちと一緒に校門をくぐりぬけた。その時だ、突然上級生が、私に顔を近づけてきた。
「ねぇねぇ! バスケ部はいらない?」
「初心者でも大歓迎だよ〜っ」
突然バスケ部の先輩が、押し出されたかと思うと、今度は違う先輩が近づいてきた。
「いやいや! やっぱテニスでしょ」
「陸上部はいらない?」
これって……部活の勧誘? 辺りを見回すと、上級生がビラをくばったり、勧誘をしている光景が見られた。
今日から部活の入部期間が設けられ、ゴールデンウィーク明けまでに部活に入ることができる。
私達はなんとかそれを押しのけ、一年生の校舎までたどり着いた。
「そういえば、軽音楽部もう作れるんでしょ?」
里子が、部長になる予定の純也に尋ねた。
「金曜に申請書をもらって、今日書いてきたんだ」
「おーっ! じゃあさっそく今日から?」
凛子が目を輝かせるが、純也は首を振った。
「顧問の確認とか、使う教室とか、色々あるからまだ時間はかかるって……」
「なーんだ、早く部活やりてぇなぁ」
健も、後頭部に腕を回して、気に食わない顔をしていた。
「あ、もう教室だから……じゃあね!」
「じゃあね〜っ」
私は、そういって、B組の教室にはいっていった。
席に座ると、周りを見てみることにした。
……結構グループができていて、ちらほらと新しい組み合わせもみかけるようになった。
皆、友達作りが上手い人たちなんだろうなぁ。
そうおもって、1時間目の時間割を見ていると、江実がやってきた。
「桜ぁ〜! 数学のノートみして!」
「え? いいけど……」
「実はノート忘れちゃっててさぁ……」
江実の話を聞きながら、私は鞄を探った。
……ん? 待てよ? 数学のノート? ……あれ?
昨日、慌てて宿題を思い出して、やったあとに……あ!
「自分の部屋の机に置いてきた……」
「えぇっ!? 今日も数学の授業あるよ?」
しまった、やっちゃった。
私はただただ、呆然としていた。
「ごめん、本当にごめん、まぢでごめん」
「いいよ……ん! おっ、ちょっと!!」
江実は、違う方向を向いていた。
肩を掴まれた、眼鏡をかけた男子が驚いた表情をしている。
手には、数学のノートが!!
「ごめん! ちょいみしてくれる?」
「ああ……はい、どうぞ」
男子は、江実にノートを手渡すと、私のほうに視線を移した。
……げ! なんでもないです、なんでも。
私は慌てて、視線をそらすと、男子が近づいてきた。
ひぇ〜! なんなんだよ!!
「……それ」
「え?」
男子の目線は、私のクリアファイルにあった。
「これ、もしかして、塾でもらった?」
「え? あ、うん、そうだよ!!」
すると男子は目を見開いて、自分の席に戻ったかとおもうと、再び私の席にやってきた。
手には、私と色違いで同じ柄のクリアファイルがある。
「僕も同じ塾いってるんだ、去年の夏期講習の時のだよね?」
「うん! 夏期講習だけいったときに、なんかもらった」
「今はいってないの?」
「まぁお母さんになんか、行かせられたみたいなかんじ」
そういって私は苦笑いしてみせた。
男子は、優しく微笑んだ。
「中北く〜ん! これありがとぉ〜」
「あ、どうも……」
江実は、中北君という男子にノートを返した。
中北君は、ファイルとノートを抱えて、自分の席に戻った。
「うちね、中北君と同中なの」
「へ〜ぇ」
「んでね……元彼なの」
「えっ!?」
私はびっくりして、思わず大声をだしてしまった。
江実は、しーっ! といって険しい顔になった。
「えっ、えっ、嘘ッ」
「嘘じゃあないよぉ、実はうち、草食系男子がまぢタイプなんだよね」
「……なんで?」
「なんか、男が自分より前にでるって許せない。うちが、ぐいぐい引っ張りたいの!!」
「へ、へえ……」
江実らしいというか、意外というか……。
「でもねぇ、なんか皆うちのこと怖がって、告っても断られちゃうんだよねぇ、でも!」
「でも?」
「中北君は、違った! ああみえて、うちみたいな派手な人が好きなんだよ〜」
「へぇ……」
これまた、意外。
「今は別れたけど、フツーに友達として仲良くやってるよ!」
「そうなんだ……いいなぁ、彼氏」
私はそういって、ため息をついた。
森沢江実と草食男子の、意外な事実を知った瞬間だった。