コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: +Rainbow Light Music+ ( No.34 )
- 日時: 2011/08/17 23:33
- 名前: 苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: xe6C3PN0)
- 参照: 夏休み終わるなー!!
第十話『仲直り』
放課後、私達の姿は屋上にあった。
里子と江実が向かい合い、その周りに私と凛子と純也と健。
辺りは緊迫とした空気になったが、ようやく口火を切ったのは里子。
「あのさ……うちに、話したいことがあるんだよね?」
里子は険しい表情をしながら、確認した。
江実はゆっくり頷き、俯いていた顔をゆっくりあげた。
「……えっと、いまさらだけど、ごめん」
「…………」
江実は話を続けた。
「うち、あのとき焦ってたんだ。周りに彼氏ができていって……うち、取り残されちゃうんじゃないかって。
気付いたら、めちゃくちゃ酷いことしてた。でも、すぐに彼とは別れたんだ」
その後、里子に恨まれた江実は、何度もタイマンを申し込まれた。
本当はそのとき謝ろうと思ったが、あまりも里子がしつこいので、謝る気が失せてしまったらしい。
そして、虹ヶ丘を受けることを知り、丁度知り合いが校長なので、江実も虹ヶ丘を受験。
入学したら、今度こそ誤ろう。
そう決意していたらしい。
「……もう許してくれないと思う、けど謝りたかった……」
「いいよ」
里子の顔は、穏やかな表情に変わっていた。
「なんつったって、もう2年も前しょ? なんか、謝られて吹っ切れた、だからいいよ」
「……そんな、簡単でいいの」
今度は江実が、険しい表情になった。
「うち、2年間ずっと悩み続けてたんだよ!? 絶対許してくれないって。なのに……こんな、あっさり……」
「いいの、てか気付いた。いつまで〜も過去にとらわれてたら、前に進めないってね」
里子はそういって、空を見上げた。
「うちらが見つめるのは未来だって気付いたんだ。……うちも、色々しつこくしてごめんね」
「……ううん、ありがとう……」
そして2人は、思いっきり抱き合った。
私たち4人は無言でただただ、その光景を見守るばかりだった。
——放課後。
「桜ぁ」
里子が、満面の笑みを浮かべて、話しかけてきた。
私も同じような顔で「なぁに?」と聞き返す。
「江実とこれからも一緒にいてやって」
「……え?」
「……多分みんな江実を怖がってるから。今のとこ、元彼とあんたくらいしか話せる人いないから」
里子はそういって、遠い目をした。
……孤独な気持ち、一人ぼっちの気持ち、それは里子が私なんかより数倍もよくわかっていた。
「うん……」
「あ、ただし! うちより仲良くしたらゆるさねぇぞ!」
「はいはい、わかってるって!」
私達は、そんな会話をして笑いあった。