コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re:   +Rainbow Light Music+   ( No.38 )
日時: 2011/08/22 12:25
名前:   苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: xe6C3PN0)
参照:       登校日とかいらなくない?ん?





 第十一話『ギャル系VS清楚系!?』




 それからゴールデンウィークも終わり、高校生活が始まって1ヶ月がたとうとしていた。
 はじまったばかりの軽音楽部の活動は、意外と楽しく、わきあいあいと練習をやっている。


 そして私は今日も、勢いよく部室に向かった。
 ……あれ?




 部室の鍵が開いてない。






 なんでだろう。絶対いつも、部長の純也がいて鍵は開いてるのに。
 ……今日はちょっと遅れてくるとか?
 んーでもそれなら、なにか連絡はあるはず。


 
 とりあえず私はそのへんに座って、みんなを待つことにした。
 ——待つこと10分。
 ようやく、廊下の反対側から聞き覚えのある声がした。
 私は想いっきり立ち上がって、みんなに手を振った。



 みんなは目を見開くと、焦った表情でこっちまできた。



 「ちょっとどこいってんの! 桜ぁ」
 「え、どこって……」
 「ずっと校門前で待ってたんだぞ。まさか本当に部室前にいたとは……」


 純也も呆れた表情になっていた。
 


 「……え? なんで? 部活は?」
 

 なにもしらない私をみて、4人は突然笑い始めた。
 なんだ、失礼な奴らめ。




 「中間があるから今日から部活ないの!」
 「……あ、ああ! ああっ、そっかあ!」
 「中学んときは、1学期の中間なんてなかったもんなー」


 そっかそっか。そうだった。
 全く忘れてた。



 「ってことで、これから各自家で勉強しろーってわけ」
 「……え? 集まったりしないの?」
 「ばーか。集まったら勉強しないこと目にみえてんだろ」


 健が、バカにするような目つきでからかった。
 私はムカッとして、頬を思いっきり膨らまして、健を睨んだ。


 「ぶっ、その顔ウケる」
 「……っ! チッ」
 「!?」



 普段キレない私が舌打ちしたので、健だけじゃなく他の3人も驚いた表情になった。
 ふっふっふ、私をバカにしたばつだ。はっはっは。




 「と、とりあえず、はやくいこうぜ」











 







 翌日。
 私は休み時間に教室で、持ってきた雑誌を江実とパラ見していた。
 江実はギャル系雑誌を読んでるから、私の読んでる雑誌をみて、びっくりしたらしい。



 「なにこれ、めっちゃ地味じゃない?」
 「失礼なっ。こういう清楚系がうちにはいいの!」
 「えーやっぱ女は、盛り盛りギャル系でしょー」



 江実はそういって、自分の持ってきた雑誌を取り出した。
 表紙は金髪の派手なギャルが、ピースサインをしている。



 「ほらほら! みてみてー」
 「……うわーてかこれ本当にJK? ……えっ、中学生とかいる」
 「今どきの都会の子みんなこんなんだよ」



 どうせうちの住んでるとこは田舎ですよ、はい。
 


 「えー……でも清楚系のほーが世間ウケいいとおもうんだけどー」
 「世間とかどーでもいいし! ギャルのほうが男ウケいい!」



 私と江実は、にらみ合った。漫画で表したら、きっと火花が散ってるはずだ。
 そしたら突然、違う声と顔が割り込んできた。




 「ちょっとお二人さん。テスト期間にそんなことしてていいのかい」




 中北君だった。中北君は、片手に参考書を持っている。
 すると、江実が立ち上がった。



 「うーるーさい! いいじゃん休み時間くらい」
 「高校のテストは難しいってきくよ。科学部の先輩もいってたし」
 「ふーん、でもいいもーん。帰ったら勉強するしー」



 江実は、子供みたいあっかんべーをしてみせると、また私のほうに顔を向きなおした。
 中北君は呆れ表情で、江実をみつめた。




 「中北、ちょっときてくれないか」



 教室の入り口前に先生がたっていた。
 中北君は学級委員長もしていて、先生からの信望も厚いので、よくこうして呼ばれるのだ。


 「ほーら呼ばれたよ、いってきな」
 「……っ、あ、はい先生」


 中北君は決まり悪そうな顔で江実をみると、すぐ先生のところへいき、一緒に廊下に消えていった。




 「……ねえ江実ー」
 「ん?」
 「……本当に江実勉強できんの?」



 江実みたいな子って、大抵は勉強なんてしないって人が多いと思う。
 でも噂によると頭はいいみたいだし……。



 「んー……ま、嫌いじゃないね。あっでもガリ勉はやだよ!? 適度にやるのがいーの」
 「ふーん」
 「……なんか信用してないね」
 「うん」



 江実は、頭をぽりぽりかくと「そうだ」と言って



 「中間の点数競い合わない」



 と、提供してきた。



 「えー……んー……」
 「ねぇしようよ! そっちのがはかどるし、ねっ?」
 「……仕方ない! じゃあそうしよ」
 「やったあ!」


 江実はまた子供みたいに、席をたって飛び跳ねた。