コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re:   +Rainbow Light Music+   ( No.41 )
日時: 2011/08/24 23:05
名前:   苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: xe6C3PN0)
参照:       最近いやなことばっかりおこるー





 第十四話『人気者の先輩』




 「で、昨日のそれがこれなんだけど……」
 「ふーん」



 翌朝。私は教室で、里子に昨日のことを話し、生徒手帳を見せた。
 二葉憲次先輩はどうたら、二年C組に在籍しているらしい。
 里子は、少しうなったあと、私の顔を見た。



 「二葉先輩じゃあねえ……」
 「……知ってるの?」
 「知ってるもなにも、めっちゃモテるよ。陸上部期待の星って言われてるし」
 「うそぉ……」



 里子のいいたいことはなんとなく、わかった。
 生徒手帳を返しに行く、するとファンの女子にたぶん目をつけられる。めんどくさいことになる。
 ……どうしよう、どうやって返しに行けば……。



 「とりあえずさ、三人呼ぼうよ」
 「う、うん」


 私は里子といっしょに、B組とE組にいって、三人を呼んだ。
 あまり人気のない場所で小声で、このことを話した。


 「ほぉ〜そりゃまた困るなあ」
 「……俺が返しにいってこようか?」
 「え?」


 純也の発言は意外だったので、声をあげてしまった。


 「俺なら男だし。通学途中にみつけましたっていえばいいじゃんか」
 「そっかあ……そうだよね。ありがとう」
 「じゃあ、俺もついてく」



 健も、この作戦にのってくれることになった。
 私は二人に生徒手帳を渡すと、はりきって二年の校舎へ消えた。




 「……よかったね、凛子」
 「う、うん」



 でもほんの少し、歯がゆい思いがしたのは気のせい?






 




 学校からの帰り道、私はふと気になって、先輩の話題を出した。



 「ねぇ、二葉先輩ってそんなモテるの」
 「まぁーそうだろうねえ……告られてるとこ、みたことあるよ」
 「まぢで!?」


 モテる人は、やっぱ大変だな……。
 めっちゃ呼び出し食らうんだろうなぁ。


 そのぶん私は、モテなくてよかった。
 ……別に開き直ってないよ。



 「彼女いるの?」
 「さーあ。同い年の彼女がいるとかなんとか……競争率かなりはげそしいよ」
 「……ふーん」



 さっきから先輩のことばっかり、気になっては消えていた。
 ……漫画やドラマでは、これで恋が始まるんだ。
 ちょっとまって、私の恋ってそんなに、ベタなものなの?


 いや、逆にベタなのがいいのかな。
 うーん……でもなんだかな。



 「てか、彼女いるなら、どうでもいいや!」
 「……え、気になってた系?」
 「違うし! 恋に発展したら、どんなんだろうなぁ……ていう淡いも・う・そ・う」
 「けっ」


 里子は、つまらなさそうな顔になった。
 なんかこっちまで恥ずかしい。



 「里子好きな奴つくりなよー」
 「今いらない。友情だけで充分すぎるくらいだわ」
 「へーえ……」



 そんな会話をしていると、なんか虚しくなってきた。
 私、恋したいなぁ。恋で……真っ赤に燃え上がりたいなあ。