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Re:   +Rainbow Light Music+   ( No.52 )
日時: 2011/09/10 19:35
名前:   苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: S86U/ykR)
参照: ずっと前から彼のこと好きだった 誰よりも やっと私に来たチャンス






 第十八話『悲しい記憶』






 あれは、中学三年になったころだった。
 私は、同じ塾に通う他中の男子に恋をしてしまった。
 偶然同じクラスの、隣の席になったのがきっかけだった。
 漫画とかでよくある話だ。
 

 ここで漫画とかなら、サラッとハプニングがおきて、話せて仲良くなれたりしちゃうんだろうけど……。
 残念ながら、現実はそう甘くは無い。彼は授業を熱心に聞いて、休み時間も友達のところへ行って話せない。


 


 しかし、ここは肉食系女子、百屋凛子!!
 がつがつといかせていただきます!!






 帰り際、私はようやく彼を呼び止めることができた。
 名前を呼ぶと、振り返った彼はきょとんとしていた。




 
 「……ねぇ、メアド持ってる?」
 「持ってるけど」
 「まぢでー! 今ね、色んな人のメアド集めてんの! 交換してもいい?」
 「うん」




 彼は鞄から携帯を取り出すと、手際よく操作し始めた。
 私も同じく携帯を取り出し操作する。




 「じゃあ、これでメールしてねー! ばいばい!!」




 私はそれだけいうと、さっさと教室をあとにした。
 ……ふぅ、とりあえず第一難関クリア!!






 それから、私は彼に毎日のようにメールを送った。
 塾の日のたびに、話しかけたり、時には手作りのお菓子を持っていって渡しにいくこともあった。
 さりげに好意を寄せる発言をしたり、色々やった。





 これが私の実力!!




 と……その時は少しいい気になってたのかもしれない。
 いや、普通ならこの方法を使えば、必ずしも意識してくれるとはおもうんだけれど。
 彼は違ったんだ。





 私はいつものように、彼に話しかけた。
 あれは、寒くなった日の帰り道の事だったとおもう。





 白い息を吐きながら、私は彼の背中に話しかけた。






 「ねぇ!!」
 「…………」



 彼は無言で振り返った。
 しかし表情は何故だか曇っているように見えた。




 「……あのさぁ」
 「?」
 「君、なんなの?」






 彼はいつのまにか、不機嫌になっていた。
 私の胸が強くドクンと鳴る。






 「僕達、もう中学三年、しかも受験生だよね?」
 「うん……」
 「君は高校に行きたくないのかい?」



 はぁ? といってやりたかったが、口をつぐんだ。
 彼は同じ表情で話を続ける。



 「僕にこんなことしてる暇があったら勉強したほうが、よっぽど時間を有効活用できると思うよ。
 それに、僕も勉強に集中したいし、君みたいなのにしつこく付きまわされると迷惑なんだよ」




 彼は、表情一つと変えずに、冷たい言葉を放った。
 その瞬間、私の中から何かが消えていくような感覚を覚えた。
 すべて、雪のように、綺麗に解けていくように……。










 それから私は、がつがついくのが怖くなってしまった。
 相手が真面目すぎただけなのかもだけど、チャラ男でも、それ以外の人でも、多分今はできない。
 迷惑かな? とよく考えるようになってしまった。







 彼は、高校受験が終わると共に塾をやめ、私もやめた。
 噂によると、星塔高校に合格したらしい。
 ……でももうすきじゃなかった。









 そして、ようやくみつけた新しい恋、それが、先輩。








 前見たくがつがつ行き過ぎず、慎重にがんばろうかな。
 それで、それで、いいのかな?