コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: +Rainbow Light Music+ ( No.56 )
- 日時: 2011/09/12 22:06
- 名前: 苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: S86U/ykR)
- 参照: ずっと前から彼のこと好きだった 誰よりも やっと私に来たチャンス
第二十話『突然の——』
それから二時間くらいは経過しただろうか。
やっとこさ、三千mの時間になった。
私は一生懸命、先輩の姿を探した。
虹ヶ丘のユニフォームを身に着けて、スタートラインに立つ先輩。
……やっぱりかっこいいなぁ、私、先輩のこと好きだ。
そう確信したとたん、ピストルの音が響いた。
先輩は、後ろから二番目だった。
……大丈夫かな、先輩。
「こりゃ、あとから追い越すね」
「……だといいね」
私は、瞬きするのも多分忘れて、先輩に釘付けになった。
頑張れ先輩、私はここでみています。
……そう念を送った瞬間だった。
先輩が、ゆっくりと急降下していくのが目に見えた。
そしてスローモーションのように、地面にたたきつけられた。
その瞬間、会場中に悲鳴が響き渡った。
……え?
今、なにがおきたの?
私は目を大きく見開きながら、トラックをジッとみた。
先輩のまわりには、たくさんの人々が集まる。
やがて、先輩の姿はなくなった。
会場中がざわめく中、私は頭が真っ白になった。
……先輩? どうしたの?
しばらくすると、どこからか先輩情報が聞こえてきた。
「二葉、ねんざだって!」
「えーっ」
「やばいな」
再び会場はざわめくばかり。
……ねんざ?
先輩、あんなに練習頑張っていたんだよ?
陸上部期待の星で、インターハイにもでる予定なんだよ?
なのにどうして? どうして怪我を……——
私は、いつのまにか立ち上がっていた。
そして里子に視線を落とす。
「里子、帰ろう」
「……うん」
私は急に落胆してしまった。
これ以上ここにいても、たぶんなにも始まらないとおもう。
里子もそれをわかってくれたのか、会場をあとにしようとした。
——そのときだった。
「……子! 百屋凛子さん!」
「……え」
どこからか、聞き覚えのある声が私の名を呼んだ。
私はきょろきょろしていると、前方からある人物がやってきた。
……あれは——
同じクラスの男子、神谷俊一だった。
彼は余裕の一意を獲得し、好記録を収めたのだ。
……でも、彼がどうして私のことを呼んだの?
その疑問だけが頭をぐるぐるしていた。
神谷の背後には、何人かの男子が隠れていた。
隠れていないで、こっちにこればいいのに。
そうおもっていると、神谷が口を開いた。
「あの、凛子さん、僕……」
次の瞬間、神谷からとんでもない言葉が発せられた。
「凛子さんのことが好きです」