コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re:   +Rainbow Light Music+   ( No.57 )
日時: 2011/09/15 22:43
名前:   苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: S86U/ykR)
参照: ずっと前から彼のこと好きだった 誰よりも やっと私に来たチャンス







 第二十一話『戸惑い』







 私はただ、戸惑いを隠すことができなかった。
 私は、神谷と里子の顔を何回も見比べて、目を見開く。
 数秒間、重い沈黙が流れ——





 「この大会で1位をとったら、告ろうとおもってたんだ」
 「……そ、そうなんだ……」






 私は神谷の顔をみることができなかった。
 ……途端、先輩の顔がぐるぐると頭の中を駆け回る。
 ——どうしよう、








 断ったほうがいいのかなぁ——
 私は、そのまま動くこともなにもできなかった。








 「返事、考えといてな」









 神谷はそれだけいうと、私の横を通り過ぎていった。
 しばらくして、無言のまま、私も里子と歩き始めた。
 数分間の沈黙の後、里子が口を開いた。






 「……びっくりした?」
 「びっくりもなにも、まさか……ってなった」






 私は未だに状況が飲み込めず、変な汗まででた。
 里子は、相変わらずニヤついている。





 「実わぁ、神谷に頼まれたんだよね♪」
 「え?」
 「……告るから、大会に呼べっていわれてさぁー」





 里子はいつになく、無邪気な笑顔をしてみせた。
 ……そうなんだ、といおうとしたが、言葉に出来ない。
 私がそのまま黙っていると、里子は話を切り出した。




 「神谷、告るだけでも満足っていってたよ。返事がどうこうとかいってたけど……」
 「……でも返事、どうしたらいいの?」




 私は、里子の目を真剣に見つめた。







 「それは、自分で考えな」
 「……そんな、」








 でもたしかにそうだ、自分で考えることなんだ。
 私は、どんなに想ったって叶わない恋を、昔経験している。
 それは辛いことで、好きな人から酷いこともいわれた。
 




 じゃあ、神谷と付き合えばいいじゃん。








 でも、それはどうかなと少し迷った。
 私の好きな人は、二葉先輩だと確信した。
 だから、断ろうと想った。






 でも、なにかがそれを許さなかった。
 ……なんで? まだ先輩が本気で好きじゃないの?
 神谷への同情? 突然すぎる戸惑い?







 わからない、わからない、どんだけ考えても答えが無いよ。