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Re:   +Rainbow Light Music+   ( No.58 )
日時: 2011/10/11 22:19
名前:   苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: S86U/ykR)






 第二十二話『苦い思い』








 あれから、一週間が経過した。
 神谷はあれから何もいってこないし、私も何も言わない。
 それまでと同じような生活を送っていた。
 ……おかしい。
 普通、返事を催促でもするとおもうのに。



 でも、そっちのほうが私も気が楽だった。
 ってか、もしや、ドッキリとか罰ゲームだったらどうしよう。
 ……そしたら、私の悩んでいたことも、全て水の泡になる。
 だとしたら、相当悔しいし、ムカつく。




 よし!!
 そうだ、こうしよう。





 私は昼休み、真っ先に神谷の席に向かった。
 神谷は驚いたような表情で、私の顔をみつめた。
 周りの人も、不審がりながら私を見る。





 「ちょっと、きて」





 私がそういうと、神谷は後ろからついてきた。
 ……なんかまるで、すごい誤解されているようなかんじだ。
 でもまぁ、いいやぁ。
 里子たちにはもう話してあるし。




 無言のまま、人気の無い階段の裏側にたどり着いた。





 「なんだよ、どうしたんだよ」
 「なんだよじゃないでしょ、告白の……」
 「……あ、ああ」



 神谷は急に思い出したかのように、目を見開いた。
 そして俯いて、頭をかきはじめた。
 ……しばらく、無言が続く。




 「返事、遅れちゃったね」
 「い、いや……そ、その俺も、告っといて、なんもいわないでごめん。君が言ってくれるの待ってた」
 「……ふーん」



 なんだか、私まで恥ずかしくなってきた。
 なんなんだろう、てか、なんのために呼び出した?
 ……そうだ、返事する為。










 「え、えっと、神谷、くん」
 「は、はい」









 このときばかりは、私も神谷も目を合わせた。
 ……鼓動がどんどん速くなる。










 「私は、その」









 あぁもう、はやくいえ、私。
 どんどん鼓動は激しくなっていくのがわかった。












 「神谷君とは、付き合えません」
 「……そう」










 神谷は、急にしおらしいかおになった。
 色々あのあと、考えに考えたつもりだ。
 ……やっぱり私は、先輩が好きならしい。




 片思いだけど、振り向かせたい人がいる。
 それなのに、神谷君と付き合うなんて——



 神谷君はいい人とおもうけど。









 「なんか、ごめんね、その、うん」
 「……あ! いや、俺、嬉しかったです」
 「……え?」
 「君から、呼び出ししてもらって、ちゃんと忘れてなかったって」
 








 人生で初めて、告白された。
 ……でもちょっぴり苦い思いがするのは、なんでだろう。
 その夜も、私はこのことがきになって、眠れなかった。