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Re:   +Rainbow Light Music+   ( No.60 )
日時: 2011/10/16 15:38
名前:   苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: S86U/ykR)






 第二十四話『ラブ・メール』






 翌日、私達は放課後、ファーストフード店に溜まっていた。
 高校生っていうのは、おなかがすくもので、晩御飯までおなかがもたないのだ。
 でも、ちゃーんと運動するから、いーもん、食べるし!
 自分にそういいきかせ、私はハンバーガーを食べた。



 「あのさぁ、凛子」
 「何?」
 「あんたさぁ、ぶっちゃけさぁ、先輩好きなの?」
 「!」



 急に里子から、不意打ちに聞かれたのでびっくりした。
 まさかここで恋バナになるとは……。




 「……う、うん、そゆことに、する」
 「先輩さぁ、昨日……女子に告られたんだって」




 それを聞いた途端、私の胸はどくんと震えた。
 里子はそのまま話しをする。



 「どうなったかは聞いて無いけど、先輩の事好きな人はもっと他にいるんだよ?」
 「……でも」
 「他の人が、っていってる場合じゃないと思う。うかつにしてると、手遅れになっちゃうかもよ」



 里子は、いつになく真剣な表情だった。
 私の胸の鼓動は徐々に速くなり、いてもたってもいられなくなった。



 「ど、どどどどど、どうしよ」
 「まぁ落ち着いて……もうあんたがあれだから、あたし、男友達にメアド聴いたからね、はい」



 里子は、鞄から可愛らしいメモ用紙を取り出した。
 私はそれをゆっくり、開ける。



 「あ、アドレス……」
 「大丈夫、男友達を通じて、ちゃーんとあんたの名前も言っておいてくれてるし、メールしな」
 「……で、でもそんな、迷惑じゃ……」
 「いいからメールしろっ!!」



 里子は机を思いっきり叩いて、叫んだ。
 その迫力に、店内の人は一斉に里子を見た。




 一瞬重い空気が流れ、里子は苦笑いを浮かべて、席に座った。
 再びもとの騒がしい店内に戻ると、私は携帯を開けた。




 「えっと……これ、ハイフン? アンターバーどっち?」
 「ハイフンだよ」
 「じゃあこれはなに? ローマ字のq?数字の9? ……里子、字汚いから読みにくい」
 「……失礼な、それは数字の9だよ」



 私は、全てのアドレスを打ち終えると、本文を書き始めた。
 ……ていっても、何を書いたらいいんだろう。



 「ベタでいんだよ、こーゆーのは、貸しな」



 里子に無理やり携帯をひったくられると、里子はなれたような手つきで文章を打った。
 しばらくして、携帯はもとにもどってきた。




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 こんにちわっ!!(´∀`)ノ
 一年C組の、百屋凛子でぇーすッ♪
 先輩、ちょぉかっこぃーから
 メールしたくなっちゃぃましたぁ…
 これから、色々とょろしくぉねがぃ
 しまぁーすっm(_ _)mペコリ
 でゎでゎッ、また
 メールしますねッッッ(`・ω)

 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−





 「……なにこれ」





 あまりの派手な文章に、私は目を点にした。





 「なにって、可愛さアピールだよ」
 「なにこれ、ぜってぇやだし、虫唾が走るわ」



 私は顔をしかめて、一気にメール文を消した。


 「ちょ、せっかくのあたしの渾身の文章を!」
 「なーにがよ。こんなん送ったら、ドン引き確定だし」



 私はぶつぶつ文句をいいつつ、メール文章を書いた。
 そして、それを里子に見せてみた。




 
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 いきなりメール、すいません!
 この前お喋りした、百屋です
 登録、よろしくおねがいします

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 「……地味、そっけない、かわいくない」
 「うるさい、こんなんでいーんだよ」



 私は里子を睨みつけると、送信ボタンを押した。
 ……なんか普通に押したけど、今更なって後悔。
 送っちゃった、やばい、送ってしまった。





 「……送った」
 「ふん、どうなってもしんねーよ」




 里子は、変な笑みを作ると、自分の携帯を見始めた。
 私はずっと携帯の画面を睨みつけていた。






 「メール、こい、こいこい!!」









 私は、不気味なほどに、小声でずっとそれを呟いている。
 ……返信こなかったら、どうしよう。
 やっぱ里子みたいなんがよかったかな。


 そんな不安を抱きながら。