コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re:   +Rainbow Light Music+   ( No.68 )
日時: 2011/10/25 19:03
名前:   苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: S86U/ykR)





 


 
 第三十話『虹色旅行記4』





 その日の夜は、庭でバーベキューをしたあと、リビングで談笑し夜の十一時頃に寝る体勢にはいった。
 っていっても、部屋で喋ったりして、寝るつもりはまだないけどね。
 桜、里子、私の三人が同じ部屋。純也と健は隣の部屋で寝ることになっている。
 私たち三人は、パジャマに着替えて布団の上で好きなことをしていた。
 桜は持って来た雑誌をみながら、お菓子を食べている。ったく、太るぞぉーいいのか?
 里子は、携帯でゲームをしたり友達とメールをしている。



 私は——




 夜景をみながら、携帯をみていた。





 といっても、携帯はずっとメール作成画面になっている。
 私はただ綺麗な夜景をぼんやりみつめているのだ。
 そして、ためいきをついては、高鳴る鼓動を抑えるように胸に手を当てるだけだった。





 「ちょっと凛子、いつまでそうしてるつもり?」
 


 私の変化の無さに気付いたのか、里子が私のそばにやってきた。
 桜も雑誌を布団の上に置き、私の隣に立つ。
 私は、二人に携帯の画面を見せた。



 「……やっぱ、やめといたほうがいいとおもう」
 「なんでよ! あれからまったく先輩とメールしてないんでしょ?」


 そう。さっき私達は、会議をして私は先輩にメールを送るという決心をしたのであった。
 


 「でも、もう夜遅いじゃん」
 「まだ十一時じゃん!」
 「……だってこないだも、この時間でメール終わっちゃったもん」
 「……」



 私の言葉に、さすがの二人も無口になってしまった。
 



 「と、とりあえずさ! そんなんじゃ明日もその調子だとおもわない?」
 「……いや、明日は送れる! 昼間にやったらいーじゃん」
 「いや、私は多分ムリだとおもう」


 桜も、私のことをみながらはっきりと言った。



 「どーせなんか言い訳探して、明日明日ってそうやって、ずーっと先延ばしにするつもりなんでしょ?」
 「……はい」



 里子の発言が、あまりにも当たっていたので思わず返事した。
 



 「ったくねー、もう、かせ」
 「え? あっ」



 気付いたら里子に携帯をぶんどられていた。
 里子は、なれた手つきでカチカチを文章を打っていく。




 「……はい」




 里子は、しばらくして何故か画面を閉じて携帯をさしだした。
 その表情は少し、いたずらっぽく、ニヤついている。
 ……なんなんだ、キモイぞ。



 私はおそるおそる携帯を開いて、目を見開いた。



 −−−−−−−−−−−−−−


 先輩、みてくださ〜ぃ!
 これがぁたしのありのままの
 姿でぇ〜す(///▼///)キャッ/
 

 (添付写真)


 −−−−−−−−−−−−−−




 ついている写真は、この前みんなでプールにいったとき、調子にのって撮ってもらった写真だった。
 一応ビキニをきて、ポーズを決めている私が写っている。




 「ふざけんな里子! この、猿女!」
 「あぁ!? うちはお前のためとおもってやったのに、なんだその態度、大体てめぇが……」
 「つべこべいうんぢゃねぇえ!!」



 私は、多分すごい形相になりながら、枕を里子めがけて投げた。
 見事里子の顔にヒットし、すごい勢いで倒れこむ。
 だが里子、負けてはいられず、すぐ私に枕を投げてきた。
 みごと命中、めっちゃいた〜い!



 「凛子、こんなんでいい?」





 私と里子が子供みたいにじゃれあっていると、突然桜が私の携帯を持って、入ってきた。
 私は、桜から携帯をひったくり、画面を見つめた。




 −−−−−−−−−−−−−−


 夜分おそくにすいませんm(_ _)m
 今、友達と旅行にきてて
 皆にお土産を買おうと思うんですが
 先輩ゎ、どんなのがいいとか
 ぁりますかね?
 
 −−−−−−−−−−−−−−




 「……おお」




 あまりの丁寧な文章に、私は声を上げた。
 すると桜はドヤ顔で語り始めた。




 「あんまり怪しまれないように、かつ、質問系で! これならきっと返事くるはずー!」
 「……でも、そのあとなんてかえせば?」



 私は、神にすがるように桜を見た。


 「じゃあ、まぁ、買ったあとに『買いましたよ、楽しみにしててください』的なこと送ったらいーんだよ」
 「ちょっと時間あけたほーが、いいってこと?」
 「そゆこと!」



 桜はまたもドヤ顔で、自信満々に答えた。
 何故か桜、こういうことに関しては結構詳しい。




 「ありがとー! このまま送ってみる!」
 「うん、がんば!」



 私は、桜に背中を叩かれると同時に、送信ボタンを押した。
 ……私の想い届け、とか呟きながら。