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Re:   +Rainbow Light Music+   ( No.73 )
日時: 2011/10/31 20:50
名前:   苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: S86U/ykR)






 第三章『C組と秋の空 ——里子編』
 第三十四話『C組大嫌い!』





 九月。
 いよいよ学校も二学期が始まってしまった。
 夏休みは、気軽でとても楽しかったが、また学校の日々になるとおもうと、どうも気分が憂鬱だ。
 私は学校に登校して、すぐに廊下に凛子と一緒に飛び出した。
 ……このクラスは、ずっといると、気分が悪くなる。
 それに、廊下には他のクラスの桜、純也、健もきてくれるからだ。



 「俺、体育祭めっちゃ楽しみだな」
 「だよな! めっちゃ燃えるぜ!!」



 健と純也が、目をキラキラ輝かせてそんなことをいった。
 桜はなんともいえぬ顔で「なんで?」と尋ねる。



 「一学期の宿泊行事だって結構皆仲良かったし、絶対E組のみんなで優勝してやるって決めたんだ」
 「E組、いいやつばっかだしな」



 二人は得意げな顔になりながら、答える。
 桜は、ため息をつきながら「まぢでー」と漏らした。



 「何でため息なんだよ」
 「いやー、羨ましいなー的な、まぁB組も結構いいかんじになってきてるかもだけどね」


 桜はそういって、少し笑顔を見せた。
 私はというと、凛子と顔を見合わせ、ため息をついた。



 「C組は、最悪だよね」
 「うん、宿泊行事のときも、他校と乱闘起こした奴いるんでしょ?」
 「あー、そういや先公がなんかいってたな」


 健も思い出したように、目を大きく見開かせた。



 「万引きとか暴力事件起こして、謹慎になったやつもいるし、C組のせいで虹ヶ丘の評判がた落ちだって」
 「ほんと、なんでC組だけなんであんな奴らばっかいるんだろーね」


 凛子の呆れた発言に、私も賛同の声をあげた。



 それと同時にチャイムが鳴り響き、皆はそれぞれの教室に戻った。





**




 騒がしい生徒を、静めるように先生は手を大きく叩いた。


 「はい静かにしろー! この時間は、体育祭のことについて色々決めていくぞ」
 「いろいろって、どんなぁ?」


 誰かは知らないけど、まぬけな声で叫ぶ人がいる。
 授業中もいっつもこんなかんじだ。
 先生は咳払いをした。



 「まずは、体育祭の実行委員を決める。各クラス、男女一名ずつになっているが……」
 「…………」


 先生は、辺りを見回した。



 「誰か、立候補はいないか?」




 当然、このクラスに立候補者など出るはずもなく。
 沈黙が続いたあと「じゃあ、推薦があるもの」と言った。
 すると、後ろの席のほうで、「はぁい」という甘ったるい声が聞こえてきた。



 「相沢」
 「理佳、森田君がいいなぁ……」
 「えっ、俺?」



 相沢理佳は、自慢のゆるふわツインテールを揺らしながら、アヒル口で森田を見た。
 森田は、チャラい見た目だがかっこいいため、女子の間で人気のある男子だ。
 相沢はチークを塗りすぎて、おてもやんみたいになった頬をふくらました。



 「それともぉ、理佳のお願いがきけないのぉ?」
 「……いや、俺そういうのダルいからパス」
 「えぇーっ」




 相沢は、不機嫌な顔になってしまった。
 しかしそれは明らかに作り顔で、どこかに可愛さをいれようとしてるのが、痛々しい。
 すると、違う席から手が上がった。



 「清水」
 「あたしは、相沢さんを推薦します」



 透き通った声でそういうのは、清水カレン。
 行動力のあるサバサバしたかんじで、結構言動権のある子だ。
 すると、女子からワッと声があがった。



 「確かにー、人推薦するなら、自分がやれだよね」
 「ほんと! 森田君を巻き込むなっつーの」
 「美術部とか活動ほとんどないし、暇でいいんじゃない?」
 「いえてるー! 相沢さんやってよー」
 



 すると、相沢は急に「え〜ん」とわざとらしい声をあげて、泣き始めた。
 そしたら今度は、男子軍団が黙ってちゃいない。



 「おいお前ら! 理佳ちゃんを泣かすんじゃねぇよ!」
 「それに美術部が暇とか、頭おかしいんじゃねえの? 結構活動あるし!!」
 「人推薦したら、自分もやらないといけないんですかー?」



 あーあ、はじまった。二学期もこれかよ。
 まぢつまんねー!!



 「はぁ? 言うけどあんたら、そのブリッコ女のどこがいーのよ!」
 「そうだよ、ムリに肩持っちゃってさ、ちょっとテク使われたからって、だまされるんじゃねーよ」




 すると、男子と女子の声が交互に響き渡った。
 あーあ、もう、いいや。ほっとこ。





 私はうるさいクラスをバックに、窓の景色をただ眺めていた。