コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re:   +Rainbow Light Music+   ( No.74 )
日時: 2011/11/01 18:28
名前:   苺羅、 ◆m.d8wDkh16 (ID: S86U/ykR)







 第三十五話『スーパーで』






 結局討論の結果、女子は相沢がやることになり、男子は学級委員の渡辺がやることになった。
 そして、次桜に会ったとき、私は真っ先にこのことを伝えた。
 桜だけでなく、純也や健も呆れた表情をしていた。
 だが、桜がすぐなにかを思い出したような顔になる。




 「でも相沢さん、めっちゃ絵とか上手いらしいよー! 風景画とか描かせたらやばいらしい」
 「まぢかよ」
 「本当は明華高校の美術科行くつもりだったんだけど、推薦で落ちてこっちにきたんだって」
 「へーぇ、知らなかった」



 私は、興味半分にそれをきいていた。
 明華高校の美術科は県内でも有数の、有名なところで、美大生やプロの画家を多く輩出しているそうだ。
 まさか、相沢にそんな特技があったなんて、意外だった。




**





 私は家から帰ると、ふと部屋を見回した。
 まだ暑いことは暑いが、そろそろ秋に模様替えしようかと考えている。
 けど費用はないし、結構めんどくさいからなー、そのままでいいや、……ん?




 私は、壁に飾られた写真に目を通した。
 この前の旅行の時に撮った写真、宿泊学習のときの、そして中学時代の写真がたくさん貼られている。
 ……一年C組の集合写真もそこにあった。そういえば、こんなの撮ったなー……。
 私はそれに、ジッと目を向けてみた。



 「あれ? 誰これ」




 私は、見覚えの無い女子の顔に目を向けた。
 黒髪の二つ結びで、大人しそうな顔をしている。
 ……確かこんな子は、うちのクラスにいないとおもうけど……。







 翌日、私は学校で凛子にその写真を見せてみた。




 「ねぇ、これ誰? こんな子いなかったよね?」
 「……うーん、あっ、これは!」



 凛子は驚いた顔になり、すぐに私に顔を向けた。




 「相馬さんだよ、四月ごろはきてたんだけど、それ以来ぱったり。私、同じ班だったから覚えてる」
 「まぢで!? 全くわかんなかった! そういえば、ずっと休んでる子いるよねー?」
 「うん、原因はわかんないけどね。大人しいけど、喋ったら喋り返してくれるいい子だったよ」



 ってことはもう、半年近く来てないってことになるのか。
 まぁ、確かにこのクラスにいたら、そうなるよね。
 


**




 学校から帰り、私は父から夕食の買出しを頼まれていたので、近くのスーパーへ行くことにした。
 いつもはコンビニ食や外食で済ますことが多いけど、今日は父が奮発して作ってくれるらしい。
 どうせ会社で『料理する男はかっこいい』だかなんだか、会話にでもなったんだろう。
 父は、周りの、とくに仕事場での会話に影響を受けやすいから。



 私は、野菜のコーナーをみていた。
 




 野菜コーナーには、私と同じ年代くらいの子がいた。
 周りは主婦層ばかりだったので、なんだか目立つ。
 ……けど、その顔にどこか見覚えがあった。








 ……もしかして! 相馬さん?









 私は、きちんと確認する前に、彼女の目の前に立っていた。
 彼女は驚いた表情をして、ビクッと身震いをさせる。
 ……不審に思われたのか、私の隣を横切ろうとした。





 「待って!」





 今思えば、なんでそんなに相馬さんに興味があったんだろう?