コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- その51 校内一の美少女と、校内一の風紀委員 ( No.134 )
- 日時: 2011/08/20 23:06
- 名前: とろわ (ID: InPXp75X)
「全く、何なんだあの男は!!失礼にも程がある」
凪はプンスカしながら歩いていた。
…決してお前が言うなとか思ってはいけない。思ったら斬首刑だ。
「というか、私は友達がいない訳ではない!作っていないだけだっ」
「つまり、友達がいないって事だな?」
俺がそう言うと、凪は心底嫌そうな顔をした。
「貴様…あの男のように塵となりたいのか」
「本当にすみませんでした」
俺は素早く土下座を決めた。コレデカイケツダネ!!
俺が地雷を踏んだせいで、暫く沈黙が続いてしまった。
それが嫌だったのかどうかは知らないが、凪がぼそぼそと呟いた。
「んまあ、でも、気になる奴がいないという訳ではない」
そう言うと、凪は自分の長い黒髪をくるくると指で弄る。
「それって?」
「確かえっと——、そうだ、マリア。黒瀬マリアだ」
凪はきっぱりとマリアの名前を口にした。
…もしかして、何週間か前のアレ(その23、24参照)のお陰で、気になるあの人になったんだろうか。
「成績優秀、スポーツ万能。それでいて容姿端麗。性格も良く、女子にも男子にも好かれる。…そんな、少女マンガから出てきたような奴が、気にならない訳がないだろう」
まあ、そうだろうなぁ。
マリアは色々とズバ抜けてるからなぁ。——少し天然で、部長LOVEってところもあるけど。
「…じゃあさ、マリアと話してみればどうなんだよ」
俺がそう言うと、凪は複雑そうな顔をした。
「そう言われてもなあ…。あんな奴と話す理由などない」
キッパリと凪が言いきる。
…って、マリアと会いたいなんて思ってない、とか言いだすのかと思ったら、意外とそうしたいって思ってるんだな。
「ならさ、俺が手伝ってやろうか?」
何故だか、俺は無意識にそう言っていた。
凪も驚いているみたいで、ぽかーんとした表情になっていた。
その後、慌てて元の顔に戻し、ふうとため息をついた。
「お前、馬鹿か?…なんで私の手伝いなんてするんだ、お前が」
「あ、いや、その…。マリアは人には好かれるんだが、そのせいで友達と呼べるような友達がいないんだよ。だからその、女友達ができたら凄く喜ぶと思うんだ」
「…まあ、しょうがない。お前に付き合ってやろう。……あ、あくまでも付き合うというだけなんだからな」
凪はツンデレによくある台詞を言い放った。
…ほんと素直じゃないよなあ、こいつ。
「んじゃあ、まずは話しかけるきっかけを考えないといけないなっ」
これはマリアのため。あいつに友達をやるため。
…頑張らないと、MAFのお姉様に瞬殺されてしまう。よし、頑張ろう!!