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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- その12 RED BENTO ( No.17 )
- 日時: 2011/07/24 20:44
- 名前: とろわ (ID: 1ZQMbD0m)
時々、幸せな夢のような出来事が、現実で起こることがある。
日常でたとえると、書店に行ったら、欲しかった本が最後の一冊だったとか、席替えしたら好きな子の隣の席だったとか、そんなところだろうか。
そういう時は、その出来事があった後でも幸せが続き、いい一日を過ごせるものであろう。
…ま、俺は今、その逆の立場にいるんだけどNE☆
「!!!!!!!!!」
弁当の中身を何かにたとえるとすると、元寇(適当)。なんかこう…、むごすぎる。色々。
まず、目の前に広がる紅い海のような何か。
それを箸でかきわけていくと、哀愁漂うししゃも君が、真っ赤に染まって俺を見つめてきた。
「……あのさあ、マリア」
そういうと、平然とした顔で、マリアは俺の方をじっと見た。
「どうしたんだよ、輝樹」
「こ、この赤いものってさぁ」「…ああ、ケチャップだ」
…へ?
とりあえず、箸ですくって舐めてみたが、確かにケチャップだった。
…へ?へ?へ?
「なんで、こんな大量に?」
「………ほ、本当は、ハンバーグだけにかけようとしたんだ!だけど、その…ブシャッ、とかいって大量にでちゃって…だから……」
そんな泣きそうな目にならないで下さい。俺が悪いみたいじゃないですかぁ☆
「わ、分かった!だから泣かないでくれ!!うん、大丈夫、ケチャップも食べてくれれば喜んでくれるはずだから!!」
そう言って、俺は赤い大海原を口の中に放り込んだ。
しばらくは、ケチャップを見なかったことにしようと思った。
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