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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- その15 危険すぎる保険医と、勇敢な少女 ( No.20 )
- 日時: 2011/07/24 22:32
- 名前: とろわ (ID: 1ZQMbD0m)
流石に無茶だ。いくら何でもできたとしても、あの先生に口で対抗するなんて出来るわけが無い。多分、手でも無理だけど。
なのに、マリアは凛とした表情のままである。どこからその自信に満ち溢れた雰囲気を放つ事が出来るのかが、謎でしょうがない。
「なんだ、頼れない彼氏のフォローか?」
「違います。俺と彼は貴方と思っているような面白い関係ではありません。それに、生徒に対してそのような暴言を吐いて許されるのですか?」
「サボっておいて、良く人の事がいえるなぁ、しかもこの私に」
「確かに、サボっていることは事実です。——でも、貴方だって、保健室から抜け出して、サボる為にここに来たのでしょう?」
マリアはにっこりと笑った。
「…俺は普段から偉そうに、人を見下すような行動を取る貴方を許せなかった。そう思っていたら、貴方がいつもこの時間にここに来る事を知ったんです。だから、俺は彼に協力してもらって、この教室でサボった。———先生も俺も彼も、サボり仲間ですね」
やばい、すげーかっこいい。
そんな暢気に考えていられる俺もある意味すげーけど、なんか羨ましい。
普通の人にはできない事を、平然とやってのける感じが、無茶苦茶かっこいいと思う。
…しかも、アレ全部即興だと思うし。
なんて思っていると、先生が突然笑い出した。
最初はクスクスと笑っていたのだが、段々声が大きくなり、しまいには、教室中に声が響き渡った。
「なんて愉快な人間なんだ!この私にも怯まず、しかも口で抵抗するなんて」
そういうと、先生はマリアの顔を目に焼き付けるように見つめ、さっきよりも穏やかな顔で笑い、こう囁いた。
「面白い、お前に興味がわいた。——これから、保健室に来い」
どうやら、凄く面倒な事に巻き込まれたようです。(巻き添えを喰らった)。
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