コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- その16 いいような、悪いような… ( No.21 )
- 日時: 2011/07/25 09:42
- 名前: とろわ (ID: 1ZQMbD0m)
保健室から出ると、マリアはぐったりした表情を浮かべていた。
「もう、何なんだよあの教師……」
さっきまでの威勢はとっくに消えて、マリアは負のオーラを周囲に放っていた。
「まあ、どんまい」
そう言って、俺がマリアの肩を叩くと、マリアは涙目で俺を睨んだ。
「なんでそんなに人事なんだよ!!俺はもう、もう、もう…!」
そういうと、マリアは肩をガックリと落とした。
何でマリアがこんな風になってしまったのかというと————……
保健室に入ると、先生は足を組み、物凄くえらそうに座った。
俺達も、落ち着かなかったがソファに腰掛けた。
それから暫く沈黙が続いたが、先生が口を開いた。
「しかし、さっきのお前の話は面白かったぞ」
そう言って、マリアの方のニヤリと見つめる。
「有り難う御座います。…きっと先生に褒められるぐらいなら、相当俺は捻くれた人間なのかもしれませんね」
マリアは少し嫌そうな表情を浮かべていたが、作り笑いをして、それに応えた。
「いや、そうじゃない。むしろ真っ直ぐすぎるぐらいだ」
そういうと、先生はあははと笑い出した。
そんな会話を尻目に、俺はヒヤヒヤしていた。
そう、TAIGAKUしなくてはいけないのかどうかが俺にとって重大な問題だったからだ。
そんな俺の心を見透かしたように、先生は口を開く。
「ああ、そういえば、退学うんぬんについて話をしなければならなかったな」
そう言うと、先生は急に真面目な顔になった。
俺はゴクリと唾を飲む。
マリアも険しい表情であった。
「今回の件は、まあ、久々に愉快な人間にだったからなしとしてやろう」
え……。
マジ、マジでか、マジでか!!
「本当ですか!?」
俺は思わず立ち上がる。
先生はうなずき、俺は安堵の笑みを浮かべてしまった。
よかった、本当によかった…!
しかし、そう思った直後、先生はこう言った。
「ただし、条件がある」
…ん?条件?
流石に一年間トイレ掃除とかは本当に勘弁してもらいたいのですが。
なんて思っていると、先生は、マリアの方の指差し、ゆっくりと口を開いた。
「お前は、今日から私の奴隷になれ」
へ?