コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

その29 休日部活 ( No.53 )
日時: 2011/07/27 06:55
名前: とろわ (ID: 1ZQMbD0m)

「お、よく来たねえ二人とも」
おうやら、部長が一番乗りできていたようだ。
「おはようございます、先輩」
「休日部活なんてそれっぽいですよね、先輩」
それに答えるように、俺とマリアが同時に喋った。
どっちがどっちを言ったかは、多分分かるとは思うが。

「ところで、今日は何をするんですか、先輩」
俺がそう言うと、部長はうーんと唸ってから、そういえば、とつぶやいた。
「確か、入部希望者がいたんだ。この日に来るとかなんとか言ってたんだ」
「そんな重要な事、どうして忘れてたんですか!」
俺がすかさずツッコむ。
「いや、なんかいきなり言われたんだよね。しかも下校途中、いきなり後ろから話しかけられたから、顔も見てないんだよ」
そう言うと、部長はため息をついた。
「嬉しいっちゃあ嬉しいんだけど、怪しい奴だったら、と思うとねえ…」
…あれ、なんか部長が部長っぽい事言ってるぞ。
なんて言ったら殺されると思った俺は、黙って椅子に座った。
それから部長は、何事も無かったように読書をし始め、マリアは窓際の席に座り、外の景色を眺めていた。

……暇だなあ。
ま、いつもの事なんだけどさ。
最近は、耶麻先輩のお陰で、大分にぎやかなんだけどさ。

なんて思っていたら、元気に扉を開けて、耶麻先輩が登場してきた。
昨日散々文句言ってたのに、なんだかんだで来てるところが先輩らしい。
「おはよっすー!!いやー、遅れてごめんごめん!」
「大丈夫、お前なんて待ってなかったから」
「あ、先輩!おはようございます」
「お、やっとお笑い&ボケ担当先輩が来たか」
ちなみに、上から順番に耶麻先輩、部長、マリア、俺の順番で言った。
一部酷い気がするとか思ってはいけない。
「やーやー、聞いてくれよ楠ー」
そう言うと、耶麻先輩は部長の肩をポンポンと叩いた。
「面倒くさい奴だねえ。一体何があったんだよ」
と、面倒くさそうな顔で部長が答える。
「さっきさ、俺が部室に向かってたらさ、入部希望者の女の子がいてさあ!」「ああ、それは僕の事だ」






「「「「へ?」」」」

そう言って、全員が声のした方を見た。




そこには、数日前に通学路で出会った女の子が立っていた。