コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

その30 ミステリアスな少女 ( No.54 )
日時: 2011/07/27 08:05
名前: とろわ (ID: 1ZQMbD0m)

「何だ、その目は」
少女はうっとうしそうな顔になる。
「いや、お前、あの時の奴だよな?」
俺がそう尋ねると、少女はコクリと頷いた。
部長もじーっと少女を見つめてから、ああ、あの声だったねぇ、とつぶやいた。
「そうだ、僕はこの部活に入部したいと思ってきたんだ」
そう言うと、部長に紙を差し出した。
おそらく、入部届けだと思う。…そういえば、俺出してねえなあ。
「おお、気がきくねえ。ところで、名前は?」
そう部長が尋ねると、少女は妖しい笑みを浮かべた。
そうして、俺の方にツカツカと近づいてくる。

そっと、耳元で囁くように。
少女はぼそりとこう言った。
「僕は龍ヶ崎麗だ。よろしくな?」
そう言うと、またにやりと笑う。
ミステリアスな奴、という風に扱えばいいのだろうか。

その後、麗としばらく話していたが、自分の事はあまり話してくれなかった。
でも、家の事とかは少し教えてくれた。
どうやら、家がヤのつく職業のうんぬんらしい。俺は聞かなかった事にしようと思った。
それを聞いた時、部長が「面倒な事にならなきゃいいけど…」とつぶやいたことには俺も同感だ。
いきなりヤのつくおじ様が来たりしたらと思うと鳥肌が立つ。こええよ普通に。


という訳で、また変な奴が手芸部に入部してきました。
…大丈夫かなあ、これ。