コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- ♪1 フレン先生と龍之介先生の仲 ( No.71 )
- 日時: 2011/08/02 07:43
- 名前: とろわ (ID: 1ZQMbD0m)
ずずずずず、と、苺ヨーグルト牛乳を啜る音が響く。
保健室の前の廊下に、フレデリック・E・アンダーソン———通称フレンは立っていた。
理由はたいしてない。だが、扉の向こうには、彼女の因縁の相手——竹内龍之介がいる。
お互い顔をあわせたくないぐらい仲が悪く、出会ってしまうと大抵口喧嘩が始まる。
フレンは苛々していた。
(何でこんなところに我輩は立っているのだ)
自分でもわからなかった。アイツが今頃のんきに椅子に座っている所を想像するだけで、バズーカを乱射したいぐらい苛立つ程であった。
苺ヨーグルト牛乳(フレンは相棒と呼んでいる)を飲みきってしまい、なんだか物足りなくなったフレンは、のんびりと自販機に向かった。
そういえば、もうすぐ授業があるな、とつぶやきながら自販機の前に移動すると、そこには「ッ、どうして貴様が」
龍之介の姿があった。
「ふん、誰かと思えば」
そう言うと、龍之介はフレンの方を見た。
手にはブラックコーヒーの缶があったので、どうやらそれを買いにきたらしい。
「久々だなあ。まだ生きてたのか」
そう言うと、フレンは鼻で笑った。
しかし、龍之介も胡散臭い笑みを浮かべ、ゆっくりと口を開く。
「まあ、私はしぶとい人間だからな。…貴様程ではないがな、ゴキブリ」
「黙れ落ちこぼれ。負け犬が吠えると残念な気持ちになるだろう」
「ふん、相変わらず口が悪いお子様だな、まだそれを飲んでるのか」
苺ヨーグルト牛乳をちらりと見ると、龍之介はフッと笑った。
「貴様だって昔はカルピス信者だったろう。偉そうに言うな」
そうフレンが言うと、龍之介は一瞬顔をしかめた。
「…あれは昔の話だ。今もそれを飲んでいる貴様に言われたくない」
「そうかそうか、それは残念だったなあ。…今度、全校放送してやろうか?楽しそうだなあ。少し線を弄れば言いふらせる」
「それは愉快だな。…なら、苺ヨーグルト牛乳は販売しないようにしてやろう」
「……………」
「……………」
しばらく沈黙が続いた。
お互い、どう切り出せばいいのか悩んでいるようで、にらみ合っているようで——そんな表情を浮かべていた。
しばらくたち、口を開けたのはフレンの方だった。
「…やはり、貴様と話しても時間と酸素の無駄だな。さっさと目の前から消え失せろ」
「それは私の台詞だ。——まあいい、もうここには用はない」
そう言うと、龍之介は保健室の方へと向かった。
フレンも、苺ヨーグルト牛乳を買った後、実験室の方へと歩いて行った。
「…やっぱり、先生達って本当は仲よさそうだよね」
「お互い素直じゃないだけで、ねー」
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という訳で、番外編第一弾はフレン先生と龍之介先生の仲についてでした。
普段いがみあってばっかりの二人です。基本。
でも、お互いがお互いの事について詳しいので、なんかあるのかもしれないですよね。
…お前が言うなとかツッコんではいけない。
次回は何を書こうか悩んでいます。
でも、拓也君が全く出ていないので、輝樹と拓也話にしようかなとも思っています。
さて、本編も進めていかなくちゃなあw
多分、不定期にグダグダ更新すると思いますが、温かく見守ってあげてください。