コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

その33 メアド ( No.72 )
日時: 2011/07/30 08:33
名前: とろわ (ID: 1ZQMbD0m)

さて、そんなこんなで気がつけば時計の針が12時を指していた。
腹が減ったので、俺たちはのんびりと帰る事になった。
…ほんと適当だよな、この部活。

鞄を持って、俺が帰ろうとすると、マリアがジャケットの裾をちょこんと引っ張ってきた。
「ん、どうしたんだよ」
俺が言うと、マリアがもぞもぞと携帯を取り出した。
「あ、あの…さ。メアド、交換しないか?」
え…?
メ、メアド交換、すか……?
俺、携帯奥の奥の方にしまいこんであるからなぁ…
じゃなくって、メアド交換?!しかも女子と?!
なんという青春!なんというこう、色々なチャンス(?)!!
「まあ、別に構わないけど」
「本当か?!あ、じゃあその、電話番号もっ」
「お、おう、いいぜ」
大分緊張している俺であった。

「うし、これでいいのか?」
「多分な。——試しに、俺が電話しようか?」
「そうだな、それがいいだろう」
マリアは嬉しそうに俺の番号を眺めた後、俺の携帯に電話をかけた。
ヴヴヴヴヴと携帯が鳴りだしたので、どうやらあっているのだろう。
なんとなくでてみたくなったので、通話ボタンを押してみた。
「あー、もしもしー?」
『何で近くにいるのに出てみたんだよ』
電話と声が両方響いてくるのですげー変な感じがする。
ま、面白いんだけどさ。
「いや、なんとなく」
『……あっそう』
無茶苦茶呆れられた。ひでぇ。

「それじゃ、俺行くな。…ありがと、色々」
「え、色々って?」
俺がポカンとした顔で言うと、マリアは首をふるふると振った。
「いや、分かってねえなら別にいいんだけどさ。…そうだ、夜にまたかけるよ。絶対出てくれよ?」
「ふいふい」
そう返事をすると、ほんの一瞬だけ、今まで見たことないような、凄く綺麗な笑みを見せた。
「—————ッ」
気がつけば、俺の顔も紅くなる。
…やっぱ、美少女怖いわ。うんうん。


という訳で、女の子とメアドと電話番号を交換した。
…すげー青春してる気がする、俺。