コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- その35 家族4人全員集合 ( No.74 )
- 日時: 2011/07/30 09:42
- 名前: とろわ (ID: 1ZQMbD0m)
「っぷはーっ!やっぱビールは生に限るわっ」
「おっさんかよ…」
豪快に缶ビールを机に置いた姉貴は、近くにあったスルメを口にくわえた。
…美人なんだけどな、ほんとに動かなければ。
それを見ていた親父と母さんはくすくすと笑う。
そういえば、母さんの自己紹介がまだだったな。
名前は日向恵美(ひなた めぐみ)。面倒見がよく、いつもにこにこ笑っていて、友達などが多い。
弁当屋を営んでいるので、勿論料理上手である。
「しっかし、家族四人揃うなんて久々だなぁ。いつ以来だっけか」
そう言うと、親父はニコニコと笑った。
…まあ、いつもにこにこしてるのが親父なんだけどさ。
「確か、暦が24の誕生日を迎えた時に帰ってきたから、半年以上は経ったわよねぇ」
「そうそ。…しっかし、変わんないよなあ、この家」
姉貴がしみじみと家を眺める。
その顔は、どこか遠くを見ているようであった。
「それじゃあ、暦のために、お父さんはりきって豪華な夕飯作っちゃうぞー!」
そう言うと、親父はキッチンの方へ向かっていった。
母さんも、それについていくようにキッチンに行った。
「ところで、何でいきなり帰ってきたんだよ」
さっき聞きそびれた質問を姉貴にぶつける。
姉貴はふぅ、とため息をついた後、ビールを一口飲んでからこういった。
「なんとなく、だよ。お前がぐーたらしてないかどうか見に来ただけ、さ」
「それ、本当なんだろうな」
「そんなくだらない嘘をついてどうするんだ」
「まあ、そうかもしれねえけど」
そう言うと、二人の間に沈黙が続いた。
姉貴はスルメののんびりと食べている。
俺も食べようと手を伸ばしたら、姉貴にデコピンされた。
「っちょ、何すんだよ!」
俺がそうキレると、姉貴はにやりと笑う。
「いやあ、なんとなくやりたかっただけ、さー」
「………ッ」
なんか、怒る気にもならない。
イライラはするんだけど、な。