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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- その8 三時間目、空色の瞳 ( No.8 )
- 日時: 2011/07/24 18:21
- 名前: とろわ (ID: 1ZQMbD0m)
……やる事が無い。
一時間目の後半ぐらいでそう思い始め、三時間目ぐらいには死ぬ程暇になっていた。
お互いぐだぐだと自分の事を話していたが、とうとうネタが尽きてしまっていた。
後五分で三時間目が終わる、という時に、静まり返っていた教室に、ゆらりと音が広がった。
「なあ、輝樹」
そういうと、マリアは俺の顔をじっと見つめる。
「ん?」
そう聞き返すと、少し悩んだような顔をした後に、おずおずと口を開いた。
「お前って、部活はいってるか?」
「いや、はいってねーけど。…それがどうしたんだ?」
そう俺がいうと、マリアは真剣な眼差しで俺を見た。
「なら、頼みたい事があるんだ」
空色の瞳は、まっすぐ俺を見つめる。
すこし戸惑ったが、それにかえすようにマリアを見つめた。
照れくさかったが、今はそれを気にしている場合ではない。
俺は、マリアが言葉を口に出すまで、黙っていることにした。
暫く静寂が教室を包み込んだ。
マリアは変わらずに真剣な眼で俺を見つめる。
すると、マリアの口からこんな言葉がでた。
「お前……手芸部にはいらないか?」
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