コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: *田中家の日常* ( No.2 )
- 日時: 2011/07/25 13:59
- 名前: 棋理 ◆U9Gr/x.8rg (ID: /M2Jvana)
いち 「あず姉の朝」
ピピピッ ピピピッ
枕元の目覚まし時計を止めると、私はまだ眠たい目をこすりながらもそもそと起き出します。時刻は午前5時。少し早いですが、私にとっては毎日のことです。
私はまだ静まりかえっている家の中を、ゆっくりと動き出しました。
リビングに降りると、まずカーテンと窓を開けます。夏の時期は毎朝こうしないと、熱いのが大嫌いな人がいますからね。騒ぎ立てる前に、涼しくしておきます。
次に洗濯物を干します。夜の家に洗濯物を回しておいたので、その分を外に出します。そして、もう一度今度は別の洗濯物を洗濯機に入れる。家は家族が多いので、洗濯機を3回も回さなくてはなりません。少し面倒です。しかし、愚痴を言ったところで洗濯物が減るわけでもないので、私はみんなが起きてくる前にさっさと洗濯物を干し始めます。
5時半になると私はもう一度二階に行って、三男と四男の部屋に行きます。
「翔君、そろそろ起きてください。朝練に遅れてしまいますよ」
「ん……分かった……」
翔君は始めこそはお布団の上でもぞもぞしていましたが、起こしに来たのが私だと分かると———
「あ、あず姉!?」
「なんですか?」
「部屋に入るなって言ってるだろ!!」
朝だというのに大きな声を出して、大急ぎで私を部屋から出します。
私にはいったい何が何だかさっぱり分かりません。とりあえず翔君が起きてくれたので、私は安心して朝食を作りに行きます。
「おはよ、あず姉」
「おはようございます、翔君。朝食はパンで良いですか?」
「うん」
ようやく起きてきた翔君はテレビをつけると、私が出した朝食をぱくぱく食べてくれます。
やはりここは食べ盛りの頃ですから、朝からしっかり食べないとダメなのです。しかも、翔君はこれからサッカーの朝練です。私が毎日早起きしているのも、このためです。
「ご馳走様」
「はい。今日も部活遅いのですか?」
「うん、まぁ。もうすぐ試合近いし」
「そうですか。あ、お弁当もう少しで出来ますから、先に準備をしてきて下さい」
「分かった」
最近私に対する態度が少し冷たくなり、少し寂しさを感じながら、私は翔君のお弁当にタコさんウィンナーを入れるのでした。