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Re: *田中さん家の日常*『参照400突破記念SS更新』 ( No.88 )
日時: 2012/07/27 16:42
名前: 棋理 ◆U9Gr/x.8rg (ID: SGJxjeZv)

じゅうなな 「得意料理は? って恥じらいながら肉じゃがですっていう女性、今の時代生存しているのかちょっと気になる」

「……さて、と。何を買うかな」

 買い物するといっても、何を買えばいいのか分からない。メニューっていってもなぁ……。正直、適当にちゃちゃっとできる野菜炒めでも良いかな、なんて思う。そうなるとキャベツとか肉とかを買えば良いんだけど……。
 
「栄養価がなぁ……」

 正直、そういう栄養面のこととかは全部あず姉に任せっきりだから、俺はそういうところに疎い。さらに家庭科とかも実習以外のペーパーテストとかほとんど苦手だから、栄養などの問題が出ていたような気もするし出ていなかったような気がする。

「……うーん、どうしよう」

 ただ当てもなくスーパー内をうろちょろする。色鮮やかな野菜達が目に入るだけで、それらをどう組み合わせようかと考えるなんて俺には出来なかった。
 ……埒があかないな。
 と、一番使い道がありそうで安いもやしを手に取ったとき、

「……翔汰? 珍しいな、お前がスーパーなんて」
「……魅零」

 親友の魅零が横にいた。学校帰りなのか、制服のままでカゴを持っている姿はやや滑稽だけれど、それ以前にこいつが『珍しい』なんて言うくらいスーパーに来慣れていることに驚いた。

「珍しいって……。お前はよく来るのかよ」
「あぁ、俺の両親は共働きだからな。夕食は一人が多いんだ」
「へぇ……」
「そういうお前は? 夕食の買い出しか? その割にはなんだか迷ってたみたいだけど」
「……実はさぁ」

 あず姉が居ないので夕食を作ることを、所々かいつまんで説明する。それを聞いた魅零は、

「大変だな、お前も」

 と、小さくこぼしただけだった。なんかむかつく。

「お前、そんなに家庭科苦手だったか?」
「実習以外はな」
「なるほど。じゃ、行くぞ」
「……は?」

 何を言い出すんだ突然。話の脈絡がなさすぎだろ生徒会副会長。
 
「……あのさ、そのイヤな目つきやめてくれないか。さすがに親友に向かってそれはないんじゃないか」
「親友? ……誰が」
「………………………………」
「……悪い、本気で悪い。だからそんな縦線が入った顔すんなって」

 生徒会副会長がそれで良いのかと思いつつ、かわいそうになったので買い物に付き合ってもらうことにした。

 ……買い物中、なにやら女性達が俺たちを見て「ねぇ、どっちが受けかな? 責めかな?」なんて話しているのを聞いたけど、気にしたら負けだよな?