コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 【短編集】゜*。...恋愛事情...。*゜ ( No.3 )
- 日時: 2011/07/29 21:17
- 名前: 紫雨 ◆mXR.nLqpUY (ID: 8hgpVngW)
「三事ー、亮くん待ってるけどー」
クラスメートがわたしを呼ぶ。
眠くて仕方がないが、学校で寝るのも居心地が悪い。 ここは素直に家に帰ろう。
因みに、“亮くん”はわたしの幼馴染兼彼氏(のような人)である。
「起きろよばか」
「あいて」
一つ一つの動作が鈍い上、寝起きという状態も重なって亮の平手を避けきれなかった。
地味に本気だったのか、頭ぐらぐらする。
「酷くね?? これでもわたし女の子ですけど」
「自分でこれでもって言ってるじゃねーか、つーか早く起きろくたばんな」
「お前の所為だろーが!!」
「ぐえっ」
お返しとして腹にパンチを一発くれてやる。
手加減をしなかったため、亮は腹を優しく擦る。
「帰るぞーオラぁ、かばん持ってくれ」
「何も入ってねー癖に。 自分で持てや」
とか悪態をついても持ってくれるのが亮だ。
手のかかる幼馴染を持つときっといつかこうなります。
「じゃーなーこのバカップルが」
「おー。 彼女いないお前よかマシだろ」
茶化すクラスメートに一言告げるときー、とハンカチでも噛みそうなくらい悔しそうに「うっせーよ!! お前にはどーせ分かんねーよ!!」と言われた。
***
「お前テスト勉強とかいいわけ??」
「は?? あーゆーのは寝といても分かる」
「黙れ、天才は黙れ」
「お前が聞いたんだろ……。 つか、耳に入ってきたら嫌でも分かる」
先程からわたしにテストについて質問ばかりしてくる。
なんだコイツ。 わたしが頭いいの嫌っつーほど知ってるくせに聞いてくるとかぶっちゃけウザい(お前もな)。
というか恋人のくせに亮は手をつなごうともしない。
あれか、ヘタレだからか。
「お前今日ばーちゃんの家行くんじゃねーの??」
「うぉわっとーい忘れてた」
「すげえ声出したな」
そういえば毎週金曜日はばーちゃんの家行くんでした。
可愛い孫の顔を毎週見ないと忘れるとか言ってたから。 可愛いんじゃねーのか。
「ねーねー」
「んー、何。 無茶な事言うなよ」
失 礼 す ぎ る 。
え、あれ、わたし彼女ですよね?? 間違ってないよね??
もう嫌だコイツ。
曲がり角に差し掛かる瞬間に、亮の腕を引いて曲がる。
亮は驚きつつ、自分の腕に掛かるわたしの腕を見て少しだけ顔を赤くする。
「ばっ、何すんの!! 俺んちこっちなんだけど!!」
いつもなら同じ道だが、ばーちゃんの家はこの角を曲がる方向。
「何、送ってくれないわけ?? このヘタレ」
「はあ!? ……〜〜っ!! 分かったよ、送りゃいーんだろ送りゃあ!!」
「いえーい」
少しだけ恋人らしさが深まった気がして、頬が自然と緩む。
亮の腕にしっかり手を絡めて、わたしはスキップをする。
“触れた”部分が、ほんのりと熱を帯びた。
(あ、)(……どしたよ)(今日ばーちゃん出かけてるんだった)(はあああああ!? もー……)