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Re: 【短編集】゜*。...恋愛事情...。*゜ ( No.8 )
日時: 2011/08/02 15:08
名前: 紫雨 ◆mXR.nLqpUY (ID: 8hgpVngW)





それなりの進学校であるこの学校。
でも校則は緩く、派手な格好をしている生徒も少なくはない。
新しいクラスでの席が、一番左下。 窓際で入ってくる風も涼しい。

なのに。


隣の席が男子なんて。



男は嫌いだ。 理由はなく、ただ、嫌いだ。
無神経だし、煩いし、本当に何気ない理由だけど、嫌いだ。
でも、アタシの友達は口をそろえてこう言う。

「浅浜くんと隣とか〜〜っ!! アンタどんっっだけ幸運なわけ!!」

不運よ!! と叫びたいアタシを無視して彼女らは勝手に盛り上がる。
ふと、横で眉根を寄せて本を読んでいる彼を見る。
隣の席の浅浜 景斗は、感じが難しくて読めないとかじゃなく、彼女らが盛り上がっているのが煩いのだと感じた。
なんか、直感で。

「でも、胡桃って男嫌いじゃん。 逆に嫌っしょ」
「そうね、凄く嫌」
「だよね胡桃。 そうだよねウチは信じてたよ。 だから、変われ★」

妙にさばさばして男に興味ないとか言っていた彼女も、彼が好きみたい。
彼女曰く、“性格、容姿、運動神経全てよし。 あれは惚れる、誰でも”だそうだ。 分かんない。

「アタシだって変わりたいわ、けどね」

そう、何度も変わろうと試みた。
先生に何度かけあった事か、それはもう分からない。 それほどまでに。
一度、先生が了承してくれた事もあった。




“わーったよ”

“まじで!! やったー、アタシはやったよぉぉぉう!!”

“先生、”

“なんだ、浅浜。 俺はお前の所為で気苦労が絶えないぞ”

“俺は、コイツが隣の方がいい、です”




とか言われて、先生も「だよな、俺も(めんどいから)」とか言って、結局変わらなかったのだ。

そして、今日。友達にも急かされたし、放課後に先生を強制的に駆り出し、クラス会議することになった。
アタシは全力で頑張ります。 かなり本気で。

「アタシほんと男とか塵以下と見なしてるんで、アタシを女子だけの楽園へ連れて行ってくだ」「まてまてまて」

先生に止められる。
因みに、今は何故移動したいかを述べている途中である。

「楽園て、しかも塵以下て何?? そんな壮大な話だったっけ!!」
「とりあえず、久辺さんの意見を尊重するか、多数決を取ります」
「委員長まで!! 俺の存在何なのまじで!! 必要なくね!!」
「正直必要ないです」

委員長にまでばっさり切り捨てられる。
皆、“移動させてあげたい(わたしが変わります)”と言ってくれるが、やはり、ここでも邪魔するのはあの男。



「俺は、コイツが隣のがいい」






アタシの人生を狂わせたコイツを、一生“妬み”ます。
(浅浜くんが言うなら……)(我慢しなさい、胡桃)(え、あっさり?? 粘ってよもう少し)(胡桃、我が儘)(え、いや、)