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Re: 生きている意味 ー短編ー 完結 ( No.13 )
日時: 2011/07/30 20:55
名前: Yuki (ID: ySP8nr/s)

ーSide
  Raitoー
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姉貴が死んだー……

突然両親からそんな事を聞かされた幼い頃の俺は、ただ泣くことしかできなかった。

『裕理が死ぬなんて…』

『いい子だったのに、東大に行くって行ってくれたのに…』

『何で、裕理なの!?来人じゃなくて…』

幼かった俺にだって、両親は俺を必要としていないんだとわかった

幼かった分、余計に傷付いた俺

俺は、もう家族という希望は、捨てた

みんな、みんな、大っ嫌いだ!!

俺が死ねばよかったんだ!!

それからは、

俺は、ずっとみんなに必要とされるように誰よりも明るく笑った

その笑顔の奥に隠した悲しみを誰にも、気付かれないようにして…

ある社会の時間、先生の話しに
俺の脳裏にあの映像が映しだされる

姉貴が俺を突き飛ばし姉貴が車にひかれるところ…

俺が姉貴を殺した…

俺が親を悲しませた…

『死んだのが来人じゃなくて何で裕理だったの!?』

何回も、俺に投げ掛けられる言葉

当然だよな… 俺が姉貴の未来を奪ったんだから…

あと3日で姉貴の命日になろうとしていたそんなある日の事

「来人… これ裕理の部屋から出てきた日記帳… 来人が持ってなさい」

突然お袋から渡されたのは、姉貴の日記帳だった

正直お袋の意図がわからねぇ…

俺は、受け取った日記帳を自分の部屋に戻って読む事にした

【ゆーりの日記帳♪】

表紙には、そんな題名が書かれている

懐かしい姉貴の字…

俺は、一ページ目を開く

【7月 1日
今日から、日記をつけるぞー☆
最近、来人が生意気になってるのがムカつくー
恵美ちゃんは、やっぱり面白いなー
今日の夕飯は、カレーライスだな☆
臭い的に!!】

おいおいこれが東大入試候補生の書くことかよ…

俺は、呆れながらもページをめくる、

ところどころに出てくる俺の名前

【来人がウザイ】

【ゆーりのおやつ食べた!!】

【ママとけんかしてるし…】

【生意気すぎ!!】

【まっ!!許してあげるか】

【大切な弟だから】

俺の目からは、大粒の涙が頬を伝いカーペットに染みを作っていっていた