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Re: 生きている意味2 〜蛍の命〜 ( No.35 )
日時: 2011/10/02 13:38
名前: Yuki (ID: ySP8nr/s)

出会い
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「ん? あんた誰?」

しばらくして私に気付いた男の子がそう言った。

誰? って言われても、答えに困る……

私が答えないのを不思議に思ったのか、その男の子は

「ここに入院してる人?」

って聞いてきた。

「うん」

私は、それだけ答えると目線を上に向けた

青い空に白い雲

懐かしい匂いと共によみがえる懐かしい思い出

丁度私が入院した時期も今日みたいな日だった

今日みたいな空だった……

「なぁ、隣座っていい?」

いきなり男の子がそう聞いてきた。

「えっ!? 何で?」

「何でって……、 ベンチ一つしかねぇーし……」

あっ そうか……

「いいよ」

私が“いいよ”って言うのは、おかしいのかな?

皆のベンチだし……

そんな事を思っていると、男の子は私の横に腰かけた。

私は、ボーッと空を見上げる

飛行機雲が真っ直ぐにのびている

青い空には白い雲……

何度この言葉を呟いただろう……

当たり前の事が不思議に思う

由紀ちゃんには私から謝らないといけないのか……

まぁ 由紀ちゃんが謝る理由なんてないけどねー……

「空好きなの?」

空に見とれて男の子の存在を忘れていた私は、その言葉に驚いた

「えっ!?」

「いや……、 空ばっか見てるから、空好きなのかなぁー って……」

そう言いながら男の子は空を指差す

「うん」

空、好きなのかな……

よくわからない

けど……

気付いたら見上げてる……

「俺も、俺も空好きなんだ」

そう言って笑う男の子

その笑顔になぜか惹かれる

「あっ 名前なんていうの?」

「名前? 蛍、峰川 蛍」

「蛍かぁー……、俺は、青井 天」

あおいそら

私の頭に響く名前

って…… ん?

あおい そら 

あおいそら

青い空……

「青い空って……」

私の言葉に頬を膨らませながら男の子は怒った感じで

「気にしてるんだからなー」

って言った

「いや、素敵な名前じゃん……」

誰かをほめたのなんて初めてかもしれない……

私の言葉に男の子は照れながら

「ありがとな」

って言ってくれた