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Re: 生きている意味 ー短編ー ( No.9 )
日時: 2011/07/31 10:53
名前: Yuki (ID: ySP8nr/s)

平成22年 7月 16日 今日
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ー7月16日ー

「おはよー 春川」

下駄箱で出会った来人は、普通に話しかけてきた

「あのさ…」

「ん?」

「今日ってなんの日…」

私は、来人の隠している事が知りたくてわざと聞いてみた

「…なんの日?さぁ…」

(とぼけてる!!完全に!!)

「死んだ日だよ!!」

私が叫んでみる

「は…? お前何で知って…」

「今日は、私のお兄ちゃんが死んだ日なんだ!!」

「えっ…」

私は、おかまいなしに話しを続ける

「○○交差点で少女が死亡!!」

明らかに来人の顔が曇ったのがわかる

「お前…」

「そこにいた、もう一人の少年も死亡していた」

「は?」

「少年の名前は、【春川 結城 (7)】」

「平成16年 7月 17日 の新聞の見出し!!私のお兄ちゃんも死んじゃったんだよねー 榊 裕理さんと一緒に!!」

「なっ…」

「お兄ちゃんは、もう帰ってこないし私もそれを悲しまない、」

「えっ?」

「今日決めた!!」

いつまでも、引きずってたって何にもならない
私の心にひっかかってた事…
生きている意味を探してたのは、そのためだったから…

「…知ってたんだ…」

「うん!!」

「榊は、いっつも無理して笑ってるようじゃなかったから驚いたよ、私何かその事が気にかかって上手く笑えなかったから…」

初めて人に言った私の気持ち

「俺はさ…姉貴よりもバカで…
親は、姉貴が死んだ事をそれはそれは悲しんでさー
俺なんてって思った時もあったけど
姉貴が居なかったら俺が死んでたんだ!!
だから、俺は姉貴の分まで生きてみせる事にしたんだ!!
姉貴だってそれを望んでると思う!!」

来人がそうであるように、私もお兄ちゃんの分まで頑張って生きよう!!

いつまでも、それを理由に逃げてるだけじゃ何も変わらないから

「うん!!きっとお姉さんは、榊のそんな姿を見て喜んでるよ!!」

「俺だけ苦しんでるのかと思ってた…
本当は、お前も、お前の両親も、俺の両親も、友達も、皆苦しんでたのに…
それに、気付かせてくれて、ありがと!!春川」

満面の笑みでお礼を言ってくれた来人に、私の中で何か芽生えた気がした…