コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: とある学園の生徒会会長の苦労日記。 ( No.4 )
- 日時: 2011/07/31 10:34
- 名前: 水晶 (ID: XgoiBkTS)
2.転校生
「転校生……?」
『なんでいまの時期に…?』と言うような顔をするツンデレ副会長こと杉下明。
今は5月、入学式、始業式が終わり皆がのんびりと過ごす時期だ。
そして俺、生徒会長になりたてほかほかの紺野海司は転校生が来るなんて理事長から聞いていなかった。
「転校生が来るなんて聞いてねぇんだけど…?」
生徒会室がしん、となる。
うわぁ、みんなの視線が痛いっ。
「海司理事長の話どうせ聞いてなかったんでしょ!?このバ会長!!!!!」
「バ会長とか酷っ!?」
でも理事長の話を聞いていなかったのは多分本当だ。
————2週間前。
ピーンポーンパーンポーン。
呼び出しに使うチャイムの独特な音が校舎内にこだまする。
≪2−B組の紺野海司くんっ。あと3分以内に理事長室に来なさい。3分以内に来なかったら……君を解剖でもしちゃおうかなっ、テヘッ☆≫
すっげぇ物騒な呼び出しがこの学園の生徒を恐怖に陥れた。
まぁ理事長も本気ではない事は確かなので俺はのんびりと理事長室に向かう事にしたのだが…………。
ピーンポーンパーンポーン。
≪あ、海司くんさっきの放送の訂正するわねっ。……3分以内に来なかったら君のクラスの生徒全員を解剖することにしたわ。ちゃんと解剖許可書とってきたからっ!コレ本当よ?あ、もう1分経過しちゃったよー?ま、頑張ってねっ!≫
俺のクラスがしん、となった。
クラスから追い出されるまであと3秒。
皆が≪いってらっしゃい≫と口をそろえて言うまであと2秒。
「薄情者ぉぉぉ」と俺が叫びながら走りだすまであと1秒。
3分後。
「えっらぁい!ちゃんと3分以内に来れたじゃない!普通ここまで来るのに5分はかかるのにぃー!」
40代には見えないおばさん。
理事長だ。本名は不明……らしい。
「…解剖とか許されると思ってるんですかっ…!?」
理事長はにっこりと笑いうふふ、と不気味な声を出す。
「許可書なんて取れるわけないじゃなぁい?すっかり騙されっちゃって…すぐ人を信じちゃだめよ?ふふふ。」
絶句した。
「——……って言うわけだからまぁ宜しくね?」
そして俺は放心状態から復活したのは理事長の話がすでに終わったころだった。
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「………え、と。お疲れ様?」
「…うにー、ドンマイとしか言いようがないのにゃ。」
「海司くん、その、お疲れ様、です」
生徒会の人々から憐れみの視線がチクチクと刺さる。
改めて転校生の資料を読んでみるとどうやら生徒会会長が転校生を理事長室まで連れて行ってあげなきゃいけないらしい。
「海司くん、転校生が来るまであと5分しかないですよぅ?」
「…え?」
【1.転校生】END