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Re: 花畑に迷い込んだ蜜蜂 ( No.2 )
日時: 2011/07/30 23:39
名前: 麻緒 (ID: NSUxBWjR)

花畑に迷い込んだ蜜蜂はそれはそれは美しいドレスを着ていました。
美しく、気高い蜜蜂は、美しい花達を近寄るどころか素通り。
何故なら蜜蜂にはただ一つの事しか頭になかったのです…—。

【第1話:自分より美しい者】

私には欠点がない。葵は大きな鏡の前でポーズをとりながら思った。
文武両道でモデル並みに可愛い。有名な和服店で育ち、生まれながらに有名人。某俳優から婚約を頼まれるほどである。
言い忘れていたがここは学校である。
葵の通う学校は山田女子高等学校。有名なお嬢様学校。(本当は女が若干嫌いなのに、両親が無理矢理入れた。)

「葵ー。あんた、またやってんの?」
このボブヘアでちょっと森ガール的なのを目指している子は果耶。
葵の数少ない親友である。因みに葵を毒舌でいじるのが日課。
葵は振り向かず、鏡で果耶を確認する。
「果耶…。何から何まで間違えてる。私に声をかけるときはまず、『御機嫌よう』でしょ?」
変わらない態度に果耶は頭に鋭いチョップを入れ込む。
「ったぁ。」
「お前は馬鹿か。だぁれもお前のことなんか相手にしてねぇンだよ。おら、さっさと行くぞ。」
こうやって、果耶の男勝り度は葵の手により上昇していくのであった。

葵等のクラスはこの棟の3階にある。少し遠いがその道のりの間、他の女子生徒に自分の美貌をまき散らすことが好きなので葵は気にしていない

「あ、葵葵。今日超美人見たよ。葵よりも背が高くて、化粧乗りも良い。」
「そりゃ幻覚だよ。病気なんだよ。あたしより美人が居る訳ない。」
「いるよ!!ミスユニバースは葵より何百倍も美人じゃい!!」
声を荒げた途端、その場にいた生徒や教師がこちらを向いたので、果耶は一度大きく深呼吸をし、「如何されましたか?皆様」とお嬢様らしい対応をした。
果耶も一応お嬢様だ。マナーぐらいは守る。

周りの雰囲気が戻るとともに、葵は小さく笑い始める。
「葵…。」
「だってぇ。あんな風に怒ったら、どこでもこうなるわよ。気をつけてね、西園寺果耶さん。」
「どうでもいいだろ…。それより!その女の人。多分転校生だよ。ほら、先週から大騒ぎになってでしょ。でぶ広先生も言ってたやつ。」
まだ息が落ち着かない葵はため息のような曖昧な回答をした。
「美人だって噂あったけどね。まさか…。」