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Re: 【オリジナル短編】赤い糸を結び直して ( No.14 )
日時: 2011/08/09 21:52
名前: peach ◆3Z7vqi3PBI (ID: fKZGY6mA)
参照: 赤い糸ってさ、絶対俺にはつながってないよ


※微エロ注意(ぜっんぜん無いけど、まぁ一応です)


「光の中で君と一緒に」1/1



「〜〜〜つ・・・・お」

自分の名前を呼んでいる声がする。
保健室で目が覚めると、一番最初に見えたのは会田の顔だった。

「あれ、なんで会田がいるの?ていうかなんで私ここに・・・」
「さすがバ勝尾! 倒れたことも覚えてないんだな」
会田に言われて、脳の端っこにあった記憶が、また頭によみがえる。
「・・・そっか。 私、休み時間にボールが頭にぶつかって・・・って、それ、会田が当てたんじゃん!」
「そこを忘れて欲しかった!」

保健の先生はいないのか、いつも座っている椅子にはオレンジに変わった光が代わりにいるだけだった。
頭をあげてみると、確かに右のほうで傷が唸っている。
いたた・・・と小さくつぶやくと、横に立っていた会田がベッドに座ってくる。
体重が軽いので大してきしむこともないけれど、なんだかいつもより距離が近い。近すぎる。

「何、お前、俺が来てドキドキしてるわけ?」
「そ、そんなわけ・・・っ」

二ヤリと笑いながらもっと距離を縮めてくる。準備が良くて上履きはもう脱いであったのか、伸ばした足の上に乗ろうとする。

「いいよ、足はそのままで。大丈夫、寝転がって」
「え、ていうかなんで上に」
「いいから」

いつになく真剣な声だった。
仕方なく寝ると、私の体の上に会田は乗る。

「別に重くないだろ?」
「重くはないけど、なんでこんなこと、ていうかここ保健室だし学校だし先生来るかもそれに先輩が」
「大丈夫、今ってお前が思ってるほど早い時間じゃないから。今日先生出張だし。」
「それが本当だったらなんで鍵が空いてるの?」
「そんなのこの会田様がどうにかしたにきまってるだろ!」

広がる静寂に、また君は笑ってから。

「なんで俺がここにいると思う?いや、違うな。俺がここにいて、勝尾は俺に何してほしい?」

私に乗った掛け布団を少し抑えて、また距離が近くなっていく。
少し長い会田の前髪が、私の目に入るくらいの距離。


「俺、とっくに気付いてたから。お前が俺に惚れてること。
 今頃知らないフリしたって無駄だぜ?」
「そ、そんなこと、ないって!
 だ、だって、そんなこと、アンタがわかるわけ・・・」

「知らないフリしたって無駄って言ったろ?
 ・・・まぁ百歩譲って惚れてなかったとしても。
 今、俺が好きって言わせてやる」


「覚悟しとけよ?」