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Re: 青春のメロディー【西宮中学校吹奏楽部物語】 部員求む!! ( No.29 )
日時: 2011/08/26 22:16
名前: 華鈴 ◆NZJg9s3.DU (ID: lqooIEvM)

STORY6 あたしは『スイソウガク』部の先輩に出会った 茜said

あたし、新庄茜。
今日は西宮中学校の入学式で、今日から中学生になります。
と、いうわけで、今は学校のどこかにいるわけですが・・・。

「西宮中学校って広すぎいいいいっ!!」

今日という日に迷子になっちゃいました☆
ちなみに、来た道もあいまいなので、どうやったら生徒玄関まで帰れるのかもわかりません!!

「1年2組ってどこぉー!?」

あたしはもういろんな意味で疲れきっています。


そんなあたしが絶望的な状態に追い込まれたそのときでした。


「あれ?あなた、こんなところで何してるの?」


あたしの目の前に救世主が!!(たぶん、先輩だと思う)
その先輩(?)は藍色をした短い髪の毛に、前髪を黒いヘアピン(パチッとしないやつ)で留めていて、黒い瞳で不思議そうに私を見ていた。
って、そんな説明してる状況じゃない!!

「あ、あのぉ、教室に行こうとしたら迷子になっちゃったんですぅ」

私は、初対面の人にこんな言い方をしたら普通は殴られるだろうというような聞き方をしてしまった。
ところが、その先輩(?つけるの面倒くさくなってきたから、以下省略)はそんなことに動じもせず、

「あ、そうなの?じゃあ、ついてきて」

と、爽やかスマイルを浮かべてあたしにこう言ってくれたのです!!
なんと親切な先輩なのでしょう!!やっぱり渡る世間に鬼はない!!
あたしが今日という日の中で一番感動した瞬間でした。


「はい、ついたよ」

ついた場所は、不運なことにあたしがついさっき「広すぎぃ!!」って言いながら通り過ぎたところでした。て、いうか、今日どんだけついてないんだよあたし。

「あ、ありがとうございますぅ。おかげでたどりつけましたぁ」

いちおうお礼をいうあたし。

「あ、礼なんて言わなくてもいいよ」

「そんなことないですぅ。人のご恩は返すのがあたりまえですぅ」

「恩返しなんていらな・・・、あっ」

先輩はたぶん断ろうとしてたんだろうけど、何か思い出したらしい。
そんな先輩はあたしの方を向いて一言。


「やっぱ恩返しはいらないけど、
              吹奏楽部をヨロシクっ☆」


先輩はそう言い残すと立ち去っていった。


私は呆然とその場に立ち尽くしていた。
頭の上に『?』を数え切れないほど出して。

(『スイソウガク』って何?『水槽学』って書くの?て、ことは、水槽について学ぶの?)

私はそんな疑問を残しながらも、その『スイソウガク』部の先輩のおかげで無事たどりついた教室へと入っていったのだった。