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Re: 青春のメロディー【西宮中学校吹奏楽部物語】 ( No.58 )
日時: 2011/11/23 11:39
名前: 華鈴 ◆NZJg9s3.DU (ID: lqooIEvM)

STORY10 パート巡り!inホルン 真衣said

私は星崎真衣。ごく平凡な生活を送っているはずの女子中学生。
最近気にかかっていることは、みんなが私のことをお嬢様ということ。
どうやら、私がごく平凡と思っていることは他とはかなりかけ離れていることらしい。
でも、私みたいな性格がお嬢様といえるのかが謎。
まあ、それはさておき・・・。

今、私は2階の被服室にいる。ここがホルンパートの練習場所だ。
被服室は他のパートの練習部屋の中で一番遠い。だから移動が面倒くさい。
実は今日から仮入部の期間だから、後の吹奏楽部員になるであろう子たちが見学に来るのだが・・・。
こんな先生もたまにしか来ないような面倒くさい場所に来る1年生などいるのだろうか。
真殿先輩は「吹奏楽部に部員が入ってくれるだけありがたいと思いなさい!」っていってたけれど、ホルンパートは今人材不足という危機に直面しているのが現実。やっぱり1年生欲しい。

刻一刻と部活終了の時間が迫ってくる。
今日はだめかと諦めたときだった。

「失礼しまーす!見学に来ました!!」
「あーーーーーーーーーーッ!!」

本日二回目の奇声を発してしまった。おかげで1年生はドン引きしてたし、隣にある生徒会室から「うるさい!!」という怒声がとんできた。これは関係ないか。

ちなみに、私が奇声を発した理由というのは

「あの、にゅ、入学式のときの!?」
「はい!よくわからなかったけれど、入ってみました」
「え!?吹奏楽部ってそんなに知名度低かったの?」
「え・・・。いやぁ、あ、あたしが知らなかっただけですよぉ、あははははー」
「・・・・・・」
まあ、部活人気ランキング4年連続で最下位っていう看板がついちゃったんだからおかしくはないけど。

「ところで先輩、このくるくるポーンってなってる楽器はなんですか」
く、くるくるポーン!?
「あ、これはホルンっていうけっこう地味な楽器。合奏でもトランペットとかの影に隠れがち」
「ほぇー。・・・て、いいところないじゃないですかぁ」
「しょうがないでしょ。これが現実なんだから」
「違いますよぉ。絶対にいいところありますってぇ」
「いいところ・・・、あ、音がやさしいかんじとか」
「え、そうなんですかぁ?吹いてみてください!!」
「うーん、いいけど・・・」

キーンコーンカーンコーン
「部活終了の時間です。各部とも、後片付けにはいってください」

「あ、終わった」
「じゃあ、またこんど吹いてくださいね!」
「うん。わかった」

こうしてホルンパートのとある1日は終了した