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Re: 青春のメロディー【西宮中学校吹奏楽部物語】 12話更新!! ( No.62 )
日時: 2011/11/30 15:00
名前: 華鈴 ◆NZJg9s3.DU (ID: lqooIEvM)

STORY13 パート巡り!inサックス 祐樹said

どうも。
前回の登場時は杉本にボッコボコにされて訳のわからない行動をとり、しまいには「副部長は俺だあああっ!!」という名言を出してしまった副部長、金本祐樹です。
そして、読者の皆様&この西中のみんなに伝えたい・・・。

「決して俺は残念でも何でもないぞコラァ!!」
「先輩うるさいっすよ、静かにしてください。1年生が引いてるじゃないっすか」
「ゲッ!?」

俺が改めて教室のドアのほうを見ると、そこには完全にドン引き状態の1年生が突っ立っていた。

「あ、あぁ。ゴメン。見学だったんだよね」
「は、はい・・・」

ヤバイまだ引いてる。俺、とんでもないことしちゃったかも。

「あ、ごめんねぇ。この残念そうなバカは放っておいていいから、ゆっくりしていってね」
「はい!」

このフォローになっていないフォローをしたのは島崎亜里沙。
好きなものは音楽と野球で、吹奏楽部が廃部になったら野球部のマネージャーになるとか言って実際は廃部にはならなかったという現状を目の当たりにして結構へこんでいる。
て、いうか、アルトサックスまともな人間いないんだけど。

「正しく言えば、サックスパートの3年生にまともな人間がいないってところっすよ。先輩」
「先輩の前でよくそんなにひどいことが言えるなお前」
「いやぁ、それほどでもー」
「ほめてない!!」

このとおり、杉本翼はイケメンで優しいというイメージとは裏腹に、一部の人間に対しては毒舌です。ここ、テストに出ます(嘘)
ちなみにこの毒舌の被害にあっているのは、吹奏楽部では俺とトランペットの岡崎。なぜ女子である岡崎に対して毒舌なのかは不明である。

「ところで先輩、今年の体育祭の楽譜回ってきてないっすよね」
「ああ。うちの学校は毎年同じ曲吹くから回ってこないんだよ」
「いや、そういうことじゃなくて、2ndの楽譜持ってないんすけど」
「え?」

杉本の楽譜を見ると、確かにそれは3rdの楽譜だった。

「あ、本当だ。そういえば、まだ啓輔先輩は引退前だったな」
「そうっすよ先輩。だから、楽譜ください」
「先輩にやらせるな。自分でもらって来い」
「いや、楽譜係って副部長の仕事じゃなかったんすか」
「だって、あの中から楽譜みつけるの面倒くさいんだもん」
「面倒くさいって・・・」

そう呟くと、杉本は楽器を置いてドアのほうへと歩いていった。
あれ?俺の命令に素直に従うってめずらしいな。
そう思いながら杉本をその場で見送っていると、

「先輩、仕事しないから和樹先輩と間違えられるんすよ。いい加減にしてください」
「えっ・・・。あ、えぇっ!?」

そうして、杉本は教室を出て行った。
正論を唱えられた俺は、切り返す言葉もなくそのまま突っ立っていた。

「杉本君、結構まともなこと言うんだね」

島崎が言った。いつの間にか見学に来ていた1年は帰っていたらしい。

「まともって、お前」
「祐樹が真面目に仕事しないからだよ。しかも、いつの間にか私がパートリーダーみたいになっちゃってるし。しっかりしろよ残念野郎」
「誰が残念野郎だ」
「残念だから、仕事はしないしトップ2の尻に敷かれてるんだろうが」

「いや、あれは藤本のキャラが濃いから尻に敷かれてるように見えるだけなんじゃねーの?」と、言おうとして、俺は言葉を呑んだ。
なぜなら、廊下に『藤本の方がキャラが濃すぎて副部長に間違えられるけど本当は部長兼生徒会長』の桜田がいたからだ。